数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

電気回路と行列

電流をグラフ理論的に。
グラフ理論における「グラフ」とは、下のような、頂点を辺でつないだもののこと。

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グラフの例

回路はグラフと見なせる。このとき回路素子はひとつの辺に最高一つになるようにする。例えば下のように↓

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グラフ化

このようにして回路はグラフに見立てられる。
もっと複雑な回路でもできる。
今回は素子として電源と抵抗だけのものを扱う。
グラフの辺に下のように向きを決める。これは勝手に決めていい。辺に向きを決められたグラフのことを有向グラフという。

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向きを決める

グラフを数式で扱うための準備をしよう。
まずグラフの頂点と辺に番号を振る。頂点の個数をmとし、頂点をv_1,v_2,\cdots v_mとする。
このようになる↓
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つぎに辺。辺の本数をnとし、辺をe_1,e_2,\cdots e_nとする。
このようになる↓
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e_kに対して、辺の向きとして向かっていくほうの点を終点といい、end(e_k)と書くことにする。逆に、行き先の反対のほうの点を始点といい、st(e_k)と書くことにする。例を見よう↓
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ある頂点v_kに対して、v_kを終点にもつような辺全体の集合をIn(v_k)と書き、v_kを始点にもつような辺全体の集合をOut(v_k)と書く。
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また、頂点と辺の組v_i,~e_jに対して、a(v_i,e_j)あるいはa_{ij}を、v_i=end(e_j)なら1,v_i=st(e_j)なら-1, どちらでもないなら0と定める。
このときm×n行列A={\displaystyle {\begin{pmatrix}a_{1,1}&a_{1,2}&\cdots&a_{1,n}\\a_{2,1}&a_{2,2}&\cdots&a_{2,n}\\\vdots&\vdots&&\vdots\\a_{m,1}&a_{m,2}&\cdots&a_{m,n}\\\end{pmatrix}}}=(a_{i,j})_{i,j}
をグラフの接続行列という。
例を見よう↓↓
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e_kを流れる電流が、決めたe_kの向きの方向にI_kの大きさだとしよう。(逆向きなら値を負にとる。)
{\bf I}={\begin{pmatrix}I_1\\I_2\\\vdots\\I_n\\\end{pmatrix}}と定める。
接続行列Aをベクトル{\bf I}にかけてみよう。A{\bf I}の第i成分は\displaystyle\sum_{j=1}^n a_{i,j}I_j = \sum_{e_j\in In(v_i)}I_j - \sum_{e_j\in Out(v_i)}I_jだから、キルヒホッフの法則A{\bf I}={\bf o}である。