数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

(3/13~)メモ

http://www.math.kochi-u.ac.jp/docky/kogi/kogi2019_2/kashikojima_lecture/lecture.pdf←「虚数乗法論とreciprocity」というpdf. 類体論のおもしろい具体例がたくさん載っていたり、p進数、アデールイデール、ガロア群の幾何学的イメージなどいろいろ述べられている。数論が専門でない数学者の方にも向けた講演だったらしいので、それで基礎から解説してあるのだろう。

・p進数体上の加法的測度μを\mu (a+p^n {\mathbb Z}_p)=1/p^n (a+p^n {\mathbb Z}_p =\{a+x|x\in p^n {\mathbb Z}_p \})で定めると、これは加法群としてのp進体上のハール測度になるらしい。なぜこれで定義できるかというと、{\mathbb Q}_p上の任意のコンパクト開集合Uは、有限個の互いに素なa+p^n {\mathbb Z}_pの和集合で表せるらしい。よってボレル集合族上でμの値を定義できる。μが平行移動不変になっていることは定義からすぐ分かる。μを使って、ルベーグ積分論によってp進積分を定義できる。

・実は\mu (a+p^n {\mathbb Z}_p)=1/p^nは、平行移動不変、加法的、μ(ℤₚ)=1の三つの仮定から導ける。例として\mu (a+p {\mathbb Z}_p)=1/pを導こう。まず{\mathbb Z}_p=p{\mathbb Z}_p\cup(1+p{\mathbb Z}_p) \cup  \cdots \cup (p-1+ p{\mathbb Z}_p)だから、\mu({\mathbb Z}_p)=\mu(p{\mathbb Z}_p) + \mu(1+p{\mathbb Z}_p) +  \cdots + \mu(p-1+ p{\mathbb Z}_p). よって平行移動不変性より \mu({\mathbb Z}_p) = p\mu(p{\mathbb Z}_p) だから、\mu(p{\mathbb Z}_p)=1/p. よって平行移動不変性より\mu (a+p {\mathbb Z}_p)=1/p.

・単数は、どんな素イデアルでも割れないわけだから、任意の非アルキメデス的付値での値が0であると特徴付けられる。さらに無限素点でも|x|=1であるという条件をつけ加えることもできる。それにどんな意味があるかは分からないが。

ガロアの最後の手紙には、PSL(2,F)(Fは有限体、|F|>3)が単純群であることが述べられているらしい。

・↑それだけではなく、置換群への埋め込みについても考察されているらしい。

・奇数位数の群は可解群らしい!

・楕円関数の周期とモジュラスについて→https://www2.tsuda.ac.jp/suukeiken/math/suugakushi/sympo02/2_2kasahara.pdf 前半は周期の一方をn倍したり1/n倍したりする話。例えばワイエルシュトラスの楕円関数\wp(z,w_1,w_2)のw_1をn倍し、zをn倍した関数\wp(nz,nw_1,w_2)を考えると、これは再び周期w_1,w_2をもつ楕円関数になる。実際\wp(n(z+w_1),nw_1,w_2)=\wp(nz+nw_1,nw_1,w_2)=\wp(nz,nw_1,w_2), \wp(n(z+w_2),nw_1,w_2)=\wp(nz+nw_2,nw_1,w_2)=\wp(nz,nw_1,w_2)(w_2を周期にもつなら、当然nw_2も周期にもつ。)よってこれは\wp(z,w_1,w_2)の有理式で表せるよね、という話と、このときw_2/w_1がn分の1になっているが、j(τ)とj(τ/n)の関係はどうなっているだろう、というような話。