数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

有理数の稠密性を使って

有理数の稠密性を使ったおもしろい定理を考えた。
定理f(x)は実数から実数への連続関数で、xが有理数のときf(x)=1であるとする。このとき、任意の実数xでf(x)=1である。

εδ論法と、有理数の稠密性で証明できる。
f(x)は連続関数だから、任意の実数αで、
任意のε>0に対してあるδ>0が存在して
|x-α|<δ⇒|f(x)-f(α)|<ε.
有理数の稠密性より、αとα+δの間にはある有理数aが存在し、
aは|a-α|<δを満たすから、
|f(a)-f(α)|<ε. aは有理数だから
|1-f(α)|<ε.
εは任意だから、f(α)=1.
これが任意の実数αで成り立つから、f(x)=1(定数関数)。

もう少し強く次も言える。
定理f(x),g(x)は実数から実数への連続関数で、xが有理数のときf(x)=g(x)であるとする。このとき、任意の実数xでf(x)=g(x).

証明
f(x),g(x)は連続関数だから、任意の実数αで、
任意のε>0に対してあるδ₁,δ₂>0が存在して
|x-α|<δ₁⇒|f(x)-f(α)|<ε,
|x-a|<δ₂⇒|g(x)-g(α)|<ε.
有理数の稠密性より、αとα+min{δ₁,δ₂}の間にはある有理数aが存在し、
f:id:mochi-mochi61:20210525121626p:plain:w300
aは|a-α|<δ₁,|a-α|<δ₂を満たすから、
|f(a)-f(α)|<ε,|g(a)-g(α)|<ε. aは有理数だから
|g(a)-f(α)|<ε.
よって
|g(α)-f(α)|=|g(α)-g(a)+g(a)-f(α)|<|g(α)-g(a)|+|g(a)-f(α)|<2ε.
εは任意だから、f(α)=g(α).
これが任意の実数αで成り立つから、f(x)=g(x).