ルベーグ測度メモ
ルベーグ積分はリーマン積分の拡張で、極限と相性がいいもの、とよく言われる。
でもこれじゃよくわからない。
まず、もっともらしい拡張になっているのか?
それに、どんなアイデアで極限と相性が良くなったのか。「なんか頑張ったら極限と相性が良くなった」というブラックボックスでは、まったく分かった気にならない。
これらについて少しは答えが出たかも。
まず、ルベーグ積分はだいたい「可測集合を、"完全加法族"に拡張して得られるもの」のようだ。
そのような拡張は沢山あるが、ルベーグ積分はそのような"最小"のもの、一番"決めすぎない"ものらしい。またそんな拡張(最小の拡張)は一意的だという。
そしてこの「完全加法族」というのは極限に関する性質で、
リーマン積分のときは「有限加法族」で、極限がとれなかった「可測集合」が、「完全加法族」という極限がとれる「可測集合」に拡張される、というような話になっている。
ここからはまだ勉強していないが、この性質こそが、「ルベーグ積分は極限と相性がいい」という話につながるのではないかと予想している。
もう少しきちんと。
の部分集合で、の形をした区間の、有限個の和集合である集合全体を、と書く。これは有限加法族になる。
の元は、の形をした共通部分をもたない区間の有限個の和集合で書けることを証明でき、
の元 (ただし は共通部分をもたない、つまり なら を満たす)に対して
と定めると、は、上の有限加法的測度である。
ここから、を拡張してを拡張する。
を含むような最小の完全加法族が存在して、それをと書く。
はE.Hopfの拡張定理の適用条件を満たすから(?)、
上の(完全加法的)測度であって、ならばとなるものが存在し、しかも一意である。