数学大好き宣言!

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行列式とテンソル積

テンソル積は、すべての多重線形写像のもとになるという性質がある。
行列式は列に関する多重線形性がある多重線形写像だから、テンソル積から構成することができる。

テンソル積の普遍性
V_1, \cdots, V_n:ベクトル空間とする。テンソル\bigotimes_{k=1}^n V_kは、次の「普遍性」をもつ:
φを
\phi:\prod_{k=1}^n V_k \rightarrow \bigotimes_{k=1}^n V_k, ~~(v_1,\cdots,v_n)\mapsto v_1\otimes\cdots\otimes v_n
とすると、任意の多重線形写像f:\prod_{k=1}^n V_k \rightarrow W に対して、ある線形写像g:\bigotimes_{k=1}^n V_k \rightarrow Wが存在して、f=g\circ \phi.
いわば、すべての多重線形写像はφを潰して得られる。

テンソル積から行列式をつくる
n次ベクトル空間の行列式\det({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)は、\prod_{k=1}^n Vから係数体Kへの多重線形写像だから、上の方法で書ける。上のgを求めてみよう。
線形写像は基底の行き先で決まる。\bigotimes_{k=1}^n Vの基底は,Vの基底を{\bf e}_1,\cdots ,{\bf e}_nとすると、{\bf e}_{i_1}\otimes{\bf e}_{i_2}\otimes\cdots \otimes{\bf e}_{i_n}(i_1,\cdots ,i_n \in \{1,2,\cdots ,n\}) だから、これらのgでの行き先を決めればいい。
\{{\bf e}_{i_1},\cdots ,{\bf e}_{i_n}\}に同じものが含まれるとき、\det({\bf e}_{i_1},\cdots,{\bf e}_{i_n})=0 だから、
g({\bf e}_{i_1}\otimes\cdots \otimes{\bf e}_{i_n})=0とする。
\{{\bf e}_{i_1},\cdots ,{\bf e}_{i_n}\}に同じものが含まれないとき、これは{1,2,...,n}の置換になる。このときは、行列式の定義により、置換をσとおくと\det({\bf e}_{i_1},\cdots,{\bf e}_{i_n})=\operatorname{sgn} \sigmaだから、g({\bf e}_{i_1}\otimes\cdots \otimes{\bf e}_{i_n})=\operatorname{sgn} \sigmaとする。
以上でgが定まった。