コラッツ予想とFareyペア
前回:
【コラッツ予想】Eliahou の log3/log2 による考察 - 数学大好き宣言!
前の記事で紹介した結果:
Eliahouは1993年の論文で、サイクルの最小値が を超えるならば、周期の長さ が
となることを示した。ここでは非負整数で、 かつ である。
これを示すのに、分数に関する「Fareyペア」という概念を使う。
定義
2つの分数() がFareyペア であるとは、
であることを言う。
定理
がFareyペアであり、分数が を満たすならば、あるが存在して
と書ける。
この定理を用いて、例えば次のようにしてサイクルの周期の条件を求めることができる:
は、 を満たしていて、
はFareyペア、 もFarey ペアであるとする。
このとき、 ならば、
または だから、
自然数が存在して または
このとして前の記事の定理の を代入することで、 の条件が得られる。
, , とする。
のときは上の条件を満たし、
または が分かる。
85137581/53715833 などを見つけるのには、連分数を使う。連分数を使うと、Fareyペアが容易に得られる。