数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

メモ:あるディリクレL関数の微分と無限積

とする。(平方剰余なものを+、平方非剰余のものをーで足している。) だから ↓この記事の式より、 ガンマ関数の積の比の無限積表示・多変数ベータによる表示 - 数学大好き宣言! 次に、 をルジャンドル記号とする。 とする。 だから 2+4+8=3+5+6 だから、 ↓…

負整数ゼータ値の合同式

定理: 証明: 非負整数 に対して とすると、 , だから、帰納的に が分かる。 のとき、フェルマーの小定理より だから、 よって冪級数の積より は整係数冪級数。 一方 は多項式でもある。 よって は整係数多項式だから、 その倍である は各係数がpの倍数であ…

【ガロア理論】Q(2^{1/4}, i) の自己同型群

を求めよう。 前回(【体論】共役と自己同型 - 数学大好き宣言!)の定理を使っていく。 簡単のためとおく。 の自己同型はとで一意に定まるから、 であるような自己同型をと書こう。例えば恒等写像はだから. の上の共役全体はだから、前回の定理1より. の上の…

【体論】共役と自己同型

体論の基礎事項。 定義(共役) :体の拡大、 を上代数的(i.e. あるが存在して)な元とする。 の上の最小多項式をとする。(代数的であることより、最小多項式は存在する。) が の共役とは、であることを言う。定理1(自己同型は共役への置換) :体の拡大、 :自己同…

メモ(三乗根による体拡大の自己同型?)

の自己同型群を求めよう。 (1) より、 はの根を添加する拡大だから、正規拡大。よってガロア拡大。 また、 だから拡大次数は2. より、 は の根を添加する拡大だから、正規拡大。よってガロア拡大。 また、 だから拡大次数は3. 以上より はガロア拡大で、拡大…

半直積の例:二面体群

をアーベル群とする。(演算を加法的に書く。) を逆元に移す写像は自己同型である。また、 を , で定めると、 これは準同型である。よって半直積が定まる。 これはどんな群だろうか。とすると、 よって、 のときは 加法になる。 のときは 引き算になる。ま…

群の外部半直積

を群とする。同型写像の全体をと書くと、これは写像の合成に関して群をなす。 証明: 写像の合成だから結合律を満たす。 単位元は、恒等写像である。 の逆元はだが、であることを示す。準同型であることを示せばよい。だから、両辺のをとって. よって準同型…

環論メモ(極大イデアルによる剰余環)

は、nが素数のときのみ体になる。これは整数論で有用だ。これを一般化しよう。今回の主定理 :環, :イデアルとする。このとき、 は極大イデアル剰余環は体。まず次の補題を示す。 補題 環が体のイデアルはと自身のみである。 証明 まず、が体であるとする。を…

環論メモ(イデアルと剰余環)

整数環におけるmodと同じことを、任意の環でも考えることができる。1:剰余環の定義 :環, :イデアル に同値関係 を、 で定める。これが同値関係であることは、 , ならば, ならば から分かる。 また、,のとき、 より, よりだから、 商集合 の同値類に演算を …

環論メモ(準素イデアル)

A:環 定義(準素イデアル) イデアルが、条件: を満たすとき、は準素イデアルであるという。例1 (pは素数) とするとこれは準素イデアル。 証明:とする。 より、あるがあって 背理法で示す。任意の自然数mでだとする。 がpの倍数なら、となってしまうから、は…

コラッツ予想とFareyペア

前回: 【コラッツ予想】Eliahou の log3/log2 による考察 - 数学大好き宣言!前の記事で紹介した結果: Eliahouは1993年の論文で、サイクルの最小値が を超えるならば、周期の長さ が となることを示した。ここでは非負整数で、 かつ である。 これを示すの…

【コラッツ予想】Eliahou の log3/log2 による考察

Wikipedia のコラッツ予想のページにこんな記述がある: Eliahouは1993年の論文で、サイクルの最小値が 2^40 を超えるならば、周期の長さ p が となることを示した。ここでは非負整数で、 かつ である。この結果は、の 連分数展開と関連している。 連分数と…

【コラッツ予想】ループの考察

, とする。 などを縮めて文字列で などと書き、 これを「fとgからなる文字列がxに作用している」と見なす。 fとgからなる有限の文字列全体の集合を とおく。 に対して、 をの長さ、をに含まれるfの個数、をに含まれるgの個数とする。 さて、 だから、 .自然…

ヘンゼルの補題

:係数の多項式 とする。 を初項とする数列を、 で定める。 定理 (1)なら、数列は任意のnで ① ② ③ を満たす。 (2) なら、はあるp進整数に収束し、 証明(1)数学的帰納法で示す。 n=0のとき ① で、 だから、. よって. ② だから . ③仮定より成り立つ。n=k+1 のと…

p進整数環上のmod

p進整数環の基礎知識については以下にまとまっている。 https://mathematics-pdf.com/pdf/p_adic_field.pdfp進整数環においてmodを考える。 定義 に対して、 を で定義する。 定理 (1)ならば (2)fを係数多項式とすると、 証明: (1) (2)加法と乗法を保つから…