数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

微分方程式と整数論(不定方程式)

特定の線形微分方程式の解空間の次元に、ディオファントス方程式の整数解の個数が現れてくる話。 (λは定数)を、周期的境界条件のもと解こう。 周期関数だから、fをフーリエ級数展開して とおき、両辺に代入すると 係数を比較して よってまたは の解は有限個…

(x+a)ᵐ(x+b)ⁿ の逆数の部分分数分解

の部分分数分解はよく知られていて である。 これをbで偏微分してみる。(これはa,b,xの恒等式だから、bで微分しても両辺は等しい) 積の微分公式を使うと の部分分数分解が得られた。 同様に、 の両辺をaでm-1回、bでn-1回偏微分すれば、 の部分分数分解が得…

p進解析(3)一致の定理

p進解析(1)冪級数の収束半径 - 数学大好き宣言! p進解析(2)冪級数の原点での連続性 - 数学大好き宣言!pを素数、をp進数列とする。 冪級数 は (vはある整数)のとき収束するとし、 を で定める。 このとき、次が成り立つ。 定理(一致の定理):点 が の零点…

p進解析(2)冪級数の原点での連続性

前回:p進解析(1)冪級数の収束半径 - 数学大好き宣言! 次回:p進解析(3)一致の定理 - 数学大好き宣言!pを素数、をp進数列とする。 が(vはある整数)のとき収束すれば、 からへの関数が定まる。定理:はx=0で連続である。 証明:だから、を示せばよい。 rを…

吸引的固定点

漸化式の極限を調べるとき、固定点に当たりをつけるのは常套手段だが、どんなとき固定点に収束するのだろうか。 今日の定理は、その点での微分が1より小さい固定点なら、近くの点を自分に収束させるというものだ。 を領域とする。 を複素関数とし、はfの固定…

p進解析(1)冪級数の収束半径

p進解析(2)冪級数の原点での連続性 - 数学大好き宣言! p進解析(3)一致の定理 - 数学大好き宣言!pを素数とする。p進数体上で、和(a_nはp進数列) の極限(点列と見て極限を取る)を考えよう。 定理:が収束⇔がn→∞で0に収束 証明: (⇒の証明)が収束 ⇔がコーシー…

高次多項式力学系の発散条件(十分条件)

充填ジュリア集合やマンデルブロ集合の描画では、条件「|z|が2か|c|を越えれば、fⁿ(z)は発散」があったために、点の発散を確定することができ、発散する点については有限回の計算で終わらせることができた。高次多項式の力学系に於いても、同じような境界を…

modの指数を増やす多項式

以前この記事で→素数冪を法とした、多項式の反復合成 - 数学大好き宣言! (fは多項式関数、pは素数、a,tは整数、kは自然数) という定理を紹介した。 f'(a)≡0 (mod p)ならばこれは となる。この式を言い換えると、「ならば 」 ということもできる。 こうして…

代数関数の積分の不思議な等式

示したいこと:a>1が自然数のとき、 高次元の曲線の積分が、πの円分数倍になるのが不思議。<証明> ベータ関数とは で定義される関数である。 を求める。 と置換積分する。のとき で、 だから、 一方、 だから、ガンマ関数の相反公式より、 よって、 結局、…

ガウス積分の一般化とフェルマー多様体

ガウス積分とはのこと。 これはとも書ける。 この一般化としてを求めよう。 とおくと、 よって 既におもしろいが、さらにこれを代数関数の積分を使って表示する。 (n変数) ただしBは多変数ベータ関数。 多変数ベータ関数の積分表示(フェルマー多様体の積分の…

フェルマー多様体の積分の多変数ベータ関数による表示

フェルマー多様体とは、m,nを自然数として という代数多様体のこと。n=2のときこれはフェルマー曲線 となる。 m=2のときこれは超球面 となる。 多変数ベータ関数とは (ただし) のこと。 と変数変換する。 積分範囲は変化せず、 , i≠jのとき だから、ヤコビア…

ガンマ関数の積の比の無限積表示・多変数ベータによる表示

(, ) について(1)無限積表示(2)多変数ベータ関数の比による表示を導く。(1)ガンマ関数のワイエルシュトラスの無限積表示とは、 のこと。ただしγはオイラーの定数。 ※この積は絶対収束する。つまり積の順序交換ができる。 のとき、 ワイエルシュトラスの無限…

多変数ベータ関数、ガンマ関数との関係

nを自然数とする。多変数ベータ関数とは (ただし) これは通常のベータ関数同様、次のガンマ関数による表示をもつ: 証明) ここで変数変換をする。 ,ただし 。 また、 とおく。 , とおく.ΦはDからEへの関数で、Φは一対一対応であることを示す。 のとき、定義…

ウォリス積の一般化(含むレムニスケート周率)

主定理:m,nが自然数で、n≠1のとき、 ベータ関数を使って示す。 ベータ関数とは で定義される関数である。 , とする。 と置換積分する。のとき で、 だから、 ガンマ関数との関係式より、 (とより) ここでガンマ関数の無限乗積表示より(ガンマ関数の積の比の…

ベータ関数の無限乗積表示

ベータ関数とは で定義される関数。 この記事では、 ベータ関数の無限乗積表示: を示す。ベータ関数はガンマ関数と次のような関係がある: こちらのサイト様で証明が読める:ガンマ関数とベータ関数の関係式とその証明 | 数学の景色さて、ガンマ関数には次…

barnesの多重ゼータ関数の積分表示

rを自然数とする。, 各成分の実部は正とする。またx∊ℂとする。 このとき級数 はt∊(0,∞) で絶対収束する。 これをメリン変換して ただしζはバーンズの多重ゼータ関数と呼ばれる関数。 さて、F(t)はより変形できる。 , とすると、 これで、綺麗な積分表示が得…

指数定理・加法定理と微分方程式 (偏微分利用)

f(x)=e^x とおくと、これは指数定理f(x+y)=f(x)f(y)を満たす。ここから微分方程式を導こう。 両辺をxで微分して、 f'(x+y)=f'(x)f(y). 両辺をyで微分して、 f'(x+y)=f(x)f'(y). よってf'(x)f(y)=f(x)f'(y). y=0を代入して f(0)f'(x) = f'(0)f(x). e^0=1 とf'…