数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

吸引的固定点

漸化式の極限を調べるとき、固定点に当たりをつけるのは常套手段だが、どんなとき固定点に収束するのだろうか。
今日の定理は、その点での微分が1より小さい固定点なら、近くの点を自分に収束させるというものだ。
D\subset {\mathbb C}を領域とする。
 f(z):D \rightarrow {\mathbb C}複素関数とし、a\in Dはfの固定点、つまりf(a)=aを満たすとする。
このとき、点aでfが微分可能で、|f'(a)|\lt 1ならば、あるδ>0が存在して、|z-a|\leq \deltaならばf^n(z)はaに収束する。
※このような固定点は吸引的固定点と呼ばれる。

証明:|f'(a)|\lt 1だから、|f'(a)|+\varepsilon_0 \lt 1となるようなε₀>0がとれる。
条件より、\lim_{z\rightarrow a}\frac{f(z)-f(a)}{z-a}=f'(a)だから、
この\varepsilon_0に対してあるδ>0が存在して、
0<|z-a|<\deltaならば|\frac{f(z)-f(a)}{z-a}-f'(a)| \lt \varepsilon_0.
f(a)=aと三角不等式より
\frac{|f(z)-a|}{|z-a|} - |f'(a)| \lt \varepsilon_0
よって
|f(z)-a|\lt (|f'(a)|+\varepsilon_0) |z-a|
|z-a|\lt \deltaのとき、|f'(a)|+\varepsilon_0 \lt 1より
|f(z)-a|\lt (|f'(a)|+\varepsilon_0) |z-a| \lt \deltaだから、
不等式は繰り返し適用できて
|f^n(z)-a| \lt (|f'(a)|+\varepsilon_0)|f^{n-1}(z)-a| \lt \cdots \lt (|f'(a)|+\varepsilon)^n |z-a|
(|f'(a)|+\varepsilon_0)<1だから右辺は0に収束。よって左辺も0に収束する。
よって\lim_{n \rightarrow \infty} f^n(z) =a