吸引的固定点
漸化式の極限を調べるとき、固定点に当たりをつけるのは常套手段だが、どんなとき固定点に収束するのだろうか。
今日の定理は、その点での微分が1より小さい固定点なら、近くの点を自分に収束させるというものだ。
を領域とする。
を複素関数とし、はfの固定点、つまりを満たすとする。
このとき、点aでfが微分可能で、ならば、あるδ>0が存在して、ならばはaに収束する。
※このような固定点は吸引的固定点と呼ばれる。
証明:だから、となるようなε₀>0がとれる。
条件より、だから、
このに対してあるδ>0が存在して、
ならば.
f(a)=aと三角不等式より
よって
のとき、より
だから、
不等式は繰り返し適用できて
だから右辺は0に収束。よって左辺も0に収束する。
よって