数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

【コラッツ予想】ループの考察

f(x)=x/2, g(x)=3x+1 とする。
(f \circ g \circ f \circ f \circ g)(x)などを縮めて文字列で fgffg(x) などと書き、
これを「fとgからなる文字列がxに作用している」と見なす。
fとgからなる有限の文字列全体の集合を\Lambda とおく。
\lambda \in \Lambdaに対して、
|\lambda|\lambdaの長さ、|\lambda|_f\lambdaに含まれるfの個数、|\lambda|_g\lambdaに含まれるgの個数とする。
さて、f(ax+b)=\frac{a}{2}x+ \frac{b}{2}  = \frac{a}{2}x + f(b),
 g(ax+b)=(3a)x + (3b+1)= (3a)x + g(b) だから、
\lambda(x)=\dfrac{3^{|\lambda|_g}}{2^{|\lambda|_f}} x  +  \lambda(0).

自然数xがコラッツ予想の操作でループするならば、ある\lambda \in \Lambdaが存在して\lambda(x)=xとなる。
つまり\dfrac{3^{|\lambda|_g}}{2^{|\lambda|_f}} x  +  \lambda(0) =x.
これを解いて
x=\dfrac{2^{|\lambda|_f} \lambda(0)}{2^{|\lambda|_f}  -  3^{|\lambda|_g}}
元の問題通り自然数の範囲で考えるなら、2^{|\lambda|_f}  \gt 3^{|\lambda|_g}でなくてはならない。両辺の自然対数をとって |\lambda|_f \gt \frac{\log 3}{\log 2}|\lambda|_g
なかなか面白い不等式が導けてうれしい。
さて、2^{|\lambda|_f} \lambda(0)自然数である。なぜなら、\lambdaの作用は2で|\lambda|_f回しか割っていないから、約分せずに計算してもλ(0)の分数としての分母は2^{|\lambda|_f}となるからだ。
よってxが整数になるのは、2^{|\lambda|_f}  -  3^{|\lambda|_g}2^{|\lambda|_f} \lambda(0)を割り切るときである。
2^{|\lambda|_f}  -  3^{|\lambda|_g}=1のときには、この条件は自明に満たされる。
2^m - 3^n =1の解はm=2,~n=1しか無いことが知られているので、|\lambda|_f=2, ~|\lambda|_g = 1のケースを計算してみよう。
このとき \lambda=ffg,~fgf,~gff で、
\lambda(0)はそれぞれ 1/4,~1/2,~1 だから、
xはそれぞれ 1,2,4 である。
これはコラッツ予想の唯一と考えられているサイクル1 \rightarrow 4 \rightarrow 2 \rightarrow 1に対応している。