2022-01-01から1年間の記事一覧
前回:置換のゼータ関数のオイラー積表示 - 数学大好き宣言! 前回示したことは全く使わない。①置換のゼータ関数(再掲) ②行列式表示の証明
①置換のゼータ関数の定義 ②オイラー積 ③証明の準備 ④命題の証明
①点とは準同型である ②準同型の本数と極大イデアルの個数 ③点の個数と極大イデアルの個数 ※→こちらの上から2番目の回答を参照https://math.stackexchange.com/questions/574367/is-any-subring-of-a-field-which-contains-the-identity-is-itself-a-subfield…
楕円積分について。 (1)ヤコビの楕円関数型とワイエルシュトラスの楕円関数型の関係 (2)特別な場合の、ガンマ関数による表示 chowla・selbergの公式の特殊な場合だと思うのだが、どうだろうか。
とする。(平方剰余なものを+、平方非剰余のものをーで足している。) だから ↓この記事の式より、 ガンマ関数の積の比の無限積表示・多変数ベータによる表示 - 数学大好き宣言! 次に、 をルジャンドル記号とする。 とする。 だから 2+4+8=3+5+6 だから、 ↓…
定理: 証明: 非負整数 に対して とすると、 , だから、帰納的に が分かる。 のとき、フェルマーの小定理より だから、 よって冪級数の積より は整係数冪級数。 一方 は多項式でもある。 よって は整係数多項式だから、 その倍である は各係数がpの倍数であ…
を求めよう。 前回(【体論】共役と自己同型 - 数学大好き宣言!)の定理を使っていく。 簡単のためとおく。 の自己同型はとで一意に定まるから、 であるような自己同型をと書こう。例えば恒等写像はだから. の上の共役全体はだから、前回の定理1より. の上の…
体論の基礎事項。 定義(共役) :体の拡大、 を上代数的(i.e. あるが存在して)な元とする。 の上の最小多項式をとする。(代数的であることより、最小多項式は存在する。) が の共役とは、であることを言う。定理1(自己同型は共役への置換) :体の拡大、 :自己同…
の自己同型群を求めよう。 (1) より、 はの根を添加する拡大だから、正規拡大。よってガロア拡大。 また、 だから拡大次数は2. より、 は の根を添加する拡大だから、正規拡大。よってガロア拡大。 また、 だから拡大次数は3. 以上より はガロア拡大で、拡大…
をアーベル群とする。(演算を加法的に書く。) を逆元に移す写像は自己同型である。また、 を , で定めると、 これは準同型である。よって半直積が定まる。 これはどんな群だろうか。とすると、 よって、 のときは 加法になる。 のときは 引き算になる。ま…
を群とする。同型写像の全体をと書くと、これは写像の合成に関して群をなす。 証明: 写像の合成だから結合律を満たす。 単位元は、恒等写像である。 の逆元はだが、であることを示す。準同型であることを示せばよい。だから、両辺のをとって. よって準同型…
は、nが素数のときのみ体になる。これは整数論で有用だ。これを一般化しよう。今回の主定理 :環, :イデアルとする。このとき、 は極大イデアル剰余環は体。まず次の補題を示す。 補題 環が体のイデアルはと自身のみである。 証明 まず、が体であるとする。を…
整数環におけるmodと同じことを、任意の環でも考えることができる。1:剰余環の定義 :環, :イデアル に同値関係 を、 で定める。これが同値関係であることは、 , ならば, ならば から分かる。 また、,のとき、 より, よりだから、 商集合 の同値類に演算を …
A:環 定義(準素イデアル) イデアルが、条件: を満たすとき、は準素イデアルであるという。例1 (pは素数) とするとこれは準素イデアル。 証明:とする。 より、あるがあって 背理法で示す。任意の自然数mでだとする。 がpの倍数なら、となってしまうから、は…
前回: 【コラッツ予想】Eliahou の log3/log2 による考察 - 数学大好き宣言!前の記事で紹介した結果: Eliahouは1993年の論文で、サイクルの最小値が を超えるならば、周期の長さ が となることを示した。ここでは非負整数で、 かつ である。 これを示すの…
Wikipedia のコラッツ予想のページにこんな記述がある: Eliahouは1993年の論文で、サイクルの最小値が 2^40 を超えるならば、周期の長さ p が となることを示した。ここでは非負整数で、 かつ である。この結果は、の 連分数展開と関連している。 連分数と…
, とする。 などを縮めて文字列で などと書き、 これを「fとgからなる文字列がxに作用している」と見なす。 fとgからなる有限の文字列全体の集合を とおく。 に対して、 をの長さ、をに含まれるfの個数、をに含まれるgの個数とする。 さて、 だから、 .自然…
:係数の多項式 とする。 を初項とする数列を、 で定める。 定理 (1)なら、数列は任意のnで ① ② ③ を満たす。 (2) なら、はあるp進整数に収束し、 証明(1)数学的帰納法で示す。 n=0のとき ① で、 だから、. よって. ② だから . ③仮定より成り立つ。n=k+1 のと…
p進整数環の基礎知識については以下にまとまっている。 https://mathematics-pdf.com/pdf/p_adic_field.pdfp進整数環においてmodを考える。 定義 に対して、 を で定義する。 定理 (1)ならば (2)fを係数多項式とすると、 証明: (1) (2)加法と乗法を保つから…
特定の線形微分方程式の解空間の次元に、ディオファントス方程式の整数解の個数が現れてくる話。 (λは定数)を、周期的境界条件のもと解こう。 周期関数だから、fをフーリエ級数展開して とおき、両辺に代入すると 係数を比較して よってまたは の解は有限個…
の部分分数分解はよく知られていて である。 これをbで偏微分してみる。(これはa,b,xの恒等式だから、bで微分しても両辺は等しい) 積の微分公式を使うと の部分分数分解が得られた。 同様に、 の両辺をaでm-1回、bでn-1回偏微分すれば、 の部分分数分解が得…
p進解析(1)冪級数の収束半径 - 数学大好き宣言! p進解析(2)冪級数の原点での連続性 - 数学大好き宣言!pを素数、をp進数列とする。 冪級数 は (vはある整数)のとき収束するとし、 を で定める。 このとき、次が成り立つ。 定理(一致の定理):点 が の零点…
前回:p進解析(1)冪級数の収束半径 - 数学大好き宣言! 次回:p進解析(3)一致の定理 - 数学大好き宣言!pを素数、をp進数列とする。 が(vはある整数)のとき収束すれば、 からへの関数が定まる。定理:はx=0で連続である。 証明:だから、を示せばよい。 rを…
漸化式の極限を調べるとき、固定点に当たりをつけるのは常套手段だが、どんなとき固定点に収束するのだろうか。 今日の定理は、その点での微分が1より小さい固定点なら、近くの点を自分に収束させるというものだ。 を領域とする。 を複素関数とし、はfの固定…
p進解析(2)冪級数の原点での連続性 - 数学大好き宣言! p進解析(3)一致の定理 - 数学大好き宣言!pを素数とする。p進数体上で、和(a_nはp進数列) の極限(点列と見て極限を取る)を考えよう。 定理:が収束⇔がn→∞で0に収束 証明: (⇒の証明)が収束 ⇔がコーシー…
充填ジュリア集合やマンデルブロ集合の描画では、条件「|z|が2か|c|を越えれば、fⁿ(z)は発散」があったために、点の発散を確定することができ、発散する点については有限回の計算で終わらせることができた。高次多項式の力学系に於いても、同じような境界を…
以前この記事で→素数冪を法とした、多項式の反復合成 - 数学大好き宣言! (fは多項式関数、pは素数、a,tは整数、kは自然数) という定理を紹介した。 f'(a)≡0 (mod p)ならばこれは となる。この式を言い換えると、「ならば 」 ということもできる。 こうして…
示したいこと:a>1が自然数のとき、 高次元の曲線の積分が、πの円分数倍になるのが不思議。<証明> ベータ関数とは で定義される関数である。 を求める。 と置換積分する。のとき で、 だから、 一方、 だから、ガンマ関数の相反公式より、 よって、 結局、…
ガウス積分とはのこと。 これはとも書ける。 この一般化としてを求めよう。 とおくと、 よって 既におもしろいが、さらにこれを代数関数の積分を使って表示する。 (n変数) ただしBは多変数ベータ関数。 多変数ベータ関数の積分表示(フェルマー多様体の積分の…