p進解析(3)一致の定理
p進解析(1)冪級数の収束半径 - 数学大好き宣言!
p進解析(2)冪級数の原点での連続性 - 数学大好き宣言!
pを素数、をp進数列とする。
冪級数
は (vはある整数)のとき収束するとし、
を で定める。
このとき、次が成り立つ。
定理(一致の定理):点 が の零点の集積点ならば、は 上恒等的に0である。
証明:が存在すると仮定する。そのような最初のものをとし (つまり )、
とおくと、
だから、 はのとき収束し、その値は. また x=0 のときは有限和だから収束。
よって上の関数 が定義できて、
また.
であれば だから、x=0 以外の f(x) の零点はg(x)の零点でもある。よって x=0 は g(x) の零点の集積点でもある。すなわち、任意のδ>0 に対して を満たすg(x)の零点が存在する。
一方、冪級数の原点での連続性より、g(x) は x=0 で連続だから、εとして をとると、あるδ>0 が存在して、|x|<δ ならば . 三角不等式より . よって|x|<δ ならば .
これは矛盾。よって仮定「が存在する」は誤り。
よってすべてのkで であり、f(x) は恒等的に零である。
系:2つの冪級数関数 f(x), g(x) について、f(x)=g(x) となる点全体が0を集積点にもてば、f(x) と g(x) は冪級数として一致する。
証明は f(x)-g(x) に上の定理を適用すればよい。