数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

群とガロア理論のお勉強(ガロア拡大の合成拡大はガロア拡大)

ガロア拡大の合成拡大はガロア拡大か。簡単すぎるのか、検索してもどこでも取り上げられてなくて困った。しかし証明を思いついた(つまり真だった)のでメモ。ガロア対応はすごく使いやすくていいね。

基礎体はKと書き固定。Kのガロア拡大M₁,M₂を考える。M₁、M₂を含むようなKのガロア拡大をLとし、L/Kのガロア群をGとする。M₁、M₂に対応する部分群をH₁、H₂とする。M₁、M₂の合成M₁M₂に対応する部分群はH₁⋂H₂である(※1)。M₁とM₂が体Kのガロア拡大であることより、H₁、H₂はGの正規部分群となる(※2)から、H₁⋂H₂もGの正規部分群となる(※3)。よってM₁M₂に対応する部分群は正規部分群だから、M₁M₂はKのガロア拡大(※2)。

※1M₁M₂に対応する部分群がH₁⋂H₂であることをチェック。
まずH₁⋂H₂がGの部分群だと示そう(群であることを示す)。①(単位元の存在)単位元eはH₁、H₂に含まれるためH₁⋂H₂にも含まれる。②(逆元の存在)g∊H₁⋂H₂のとき、g∊H₁かつg∊H₂だからg^{-1}∊H₁かつg^{-1}∊H₂よってg^{-1}∊H₁⋂H₂③(閉性)g,h∊H₁⋂H₂のとき、g,h∊H₁かつg,h∊H₂だからgh∊H₁かつgh∊H₂よってgh∊H₁⋂H₂ 以上より部分群。
あとは、M₁M₂にガロア対応する部分群はH₁⋂H₂であることを示す。H₁⋂H₂が群だから、H₁⋂H₂は H⊂H₁ かつ H⊂H₂となる最大の部分群H である。よってガロア対応と、部分群と部分体の逆の包含関係より、H₁⋂H₂がガロア対応するのは M⊃M₁かつM⊃M₂となる最小の中間体M。それはM₁M₂に他ならない。

※2 L/Kの中間体Mについて、M/Kがガロア拡大⇔Mに対応するHはGの正規部分群、の証明はこちらの龍孫江さんの動画にある↓↓

www.youtube.com

定義通りやるのが大切か。なぜ正規拡大を考えるかという意味も分かってくる(代数共役とったら体から出ていくのでは、自己同型で対称性が調べられないぞ!)。

※3 Gの部分群H₁、H₂がGの正規部分群ならば、H₁⋂H₂もGの正規部分群である証明はこちらに↓↓

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp