正多面体と素数の現象だけまとめ
橋本義武先生の「正多面体と素数」をよんだ。
そこに書いてあった正多面体と素数の関係を列挙しておく。この謎の現象を理解するために、一旦まとめてみようという考え。
1.面、辺、頂点の数に関する現象
①正多面体について、面の数ー1,辺の数ー1,頂点の数ー1はすべて素数。
②面の数+辺の数ー1,辺の数+頂点の数ー1,面の数+頂点の数ー1,
面の数+辺の数+頂点の数ー1はすべて素数か素数の二乗。
③面とその辺の1つとその端点の1つ、という3つ組を「旗」というが、
(旗の数/2)+面の数+辺の数+頂点の数ー1は素数の二乗。
また、旗の数=辺の数*4だから、これは面の数+辺の数*3+頂点の数ー1が素数の二乗と言っても同じ。
2.正多面体多項式に関する現象
正多面体多項式と本の中で呼ばれている多項式たちに対して、
①pを素数とすると、次数はp,p^2,p+1,p^2+1のいずれか
②最高次と最低次以外の項の係数は、①と同じpでわりきれる
③次数がp,p^2なら、最低次の次数は1で、次数がp+1,p^2+1なら最低次の次数は0
※①と、1.①②は実は同じことを言っている。
正多面体多項式はとてもたくさんあり、それに対応してどんどん素数が現れる様は圧巻。
3.群に関する現象
正四面体群はの部分群と見なせ、
だが、これはによるの置換。
正八面体群はの部分群と見なせ、
正二十面体群はの部分群と見なせ、
また、となる部分群Hが存在するのは以上のp=5,7,11のときだけ。
また、正多面体に対して、
対応する正多面体群の位数+面の数+辺の数+頂点の数ー1は、
正四面体では5²
正八面体、正六面体では7²
正二十面体、正十二面体では11²
1①②、2①②は、数が多すぎて、偶然にしてはあまりに出来すぎだと思う。
本の中では、1①②2①②は、個別の計算から導かれており、成り立つ「理由」のようなものは書かれてはいなかった。なんでこんなことが起こるのだろう。謎。