関数の反復合成とか定義域の分割関連のこと
f:S→SをS上の関数とする。Sの有限の分割{S₁,S₂,…Sₙ}で、どのSᵢについても f(Sᵢ)=Sⱼ となる Sⱼ が存在するようなものを考えたい。これはmodをとることの類似と考えていて、うまい分割をとることで反復合成に関して見通しをよくできないかなと考えている。
簡単な例として、AをSのある部分集合として、
(fᵏは、kが正のときはk回合成、0のとき恒等写像、負のときは逆像を-k回とったもの)、S₂=S-S₁とすると、(S₂≠∅のとき)これは条件を満たし、f(S₁)=S₁、f(S₂)=S₂となる。
他には、
とすると, S₁∩S₂=∅, S₃≠∅ のとき{S₁, S₂, S₃}は条件を満たし(S₃=∅のときは{S₁, S₂}が条件を満たす)、f(S₁)=S₂, f(S₂)=S₁, f(S₃)=S₃ となる。S₁とS₂の移り変わる構造が入りおもしろい。
任意の構造をもった分割はできるのだろうか。例えば、f(S₁)=S₂, f(S₂)=S₁ となるような分割はできるだろうか。この条件式については、簡単な関数でも反例になってしまう。S=ℝ、f(x)=2xもそうである。うまくいかない理由には固定点が関わっている:0∊S₁とすると、f(0)=0∊S₁より条件を満たさない。同様に0∊S₂でも条件を満たさない。よって条件を満たす分割は存在しない。
しかしこの例では、定義域を正の実数にすれば条件を満たす分割が見つかる。次のようにすればよい:
これらを見ると、基本領域のような考え方が有効そうに思える。もう少しいろいろ考えることができそうだ。