いくつかの数論的関数とゼータ関数
ゼータ関数と数論的関数の関係、特に反転公式とゼータ関数の関係がおもしろい。
まずディリクレ級数の積を計算しておく。
だから、この積のの係数をとおくと、
とおく。
次に約数関数d(n), メビウス関数μ(n)を導入する。
定義
(1)d(n)=(nの約数の個数)を約数関数という。
(2)メビウス関数μ(n)とは、nが平方因子をもつときμ(n)=0,nが相異なるk個の素数の積のときμ(n)=(-1)^k と定められる関数である。
次が成り立つ。
定理
証明
(1)
(2)μ(n)は乗法的関数だから、左辺はオイラー積に分解でき、
定理(メビウスの反転公式)
f,gを自然数上の関数とする。
証明:f(n),g(n)のディリクレ級数をそれぞれF(s),G(s)とおく。条件式とディリクレ級数の積よりだから、.よってディリクレ級数の積より求める式が示された。