数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

p進連分数

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p進数の世界でも、連分数を考えることができる!(収束する!)
pを奇素数とする。
f(x)=x²-2x-p とおく。
f(x)=x(x-2)-p だから、f(0)≡0(mod p), f(2)≡0(mod p).
また, f'(x)=2x-2 であり、f'(0)=-2≢0(mod p), f'(2)=2≢0(mod p). (pは奇素数より)
よってヘンゼルの補題より、f(x)=0はp進整数環{\mathbb Z}_p上に、
α≡0(mod p)となる解αと、β≡2(mod p)となる解βをもつ。
aₙ=(αⁿ⁺¹+βⁿ⁺¹)/(αⁿ+βⁿ) とおく。
a₀=(α+β)/2=1,
aₙ₊₁=(αⁿ⁺²+βⁿ⁺²)/(αⁿ⁺¹+βⁿ⁺¹)=(2(αⁿ⁺¹+βⁿ⁺¹)+p(αⁿ+βⁿ))/(αⁿ⁺¹+βⁿ⁺¹) = 2+p(αⁿ+βⁿ)/(αⁿ⁺¹+βⁿ⁺¹) = 2+p/aₙ .
よって
a_1= 2+{\cfrac {p}{1}},
a_2=2+{\cfrac {p}{2+{\cfrac{p}{1}}}},
a_3=2+{\cfrac {p}{2+{\cfrac{p}{2+{\cfrac {p}{1}}}}}},
\vdots

一方、aₙ=(αⁿ⁺¹+βⁿ⁺¹)/(αⁿ+βⁿ) で、
α≡0(mod p), β≢0(mod p) より|αⁿ/βⁿ|ₚ≤p⁻ⁿ→0 (n→∞) だから、
aₙ→(α(αⁿ/βⁿ)+β)/( (αⁿ/βⁿ)+1)→β (n→∞).

よって
β=\lim\left(2+{\cfrac {p}{2+{\cfrac{p}{2+{\cfrac {p}{\ddots2+{\cfrac {p}{1}}}}}}}}\right)

ほとんど初期値によらないことも示しておこう。
数列{aₙ}を、a₀=x∊{\mathbb Z}_p(x≠0),
aₙ₊₁=2+p/aₙ で定義される数列とする。
このときaₙの一般項は
(Aαⁿ⁺¹+Bβⁿ⁺¹)/(Aαⁿ+Bβⁿ) (ただしA=β-x, B=x-α)
である。実際、n=0のとき
(Aα+Bβ)/(A+B)=(αβ-αx+βx-αβ)/(β-x+x-α)=(βx-αx)/(β-α)=x,
n+1を代入すると
(Aαⁿ⁺²+Bβⁿ⁺²)/(Aαⁿ⁺¹+Bβⁿ⁺¹)=(2(Aαⁿ⁺¹+Bβⁿ⁺¹)+p(Aαⁿ+Bβⁿ))/(Aαⁿ⁺¹+Bβⁿ⁺¹) = 2+p(Aαⁿ+Bβⁿ)/(Aαⁿ⁺¹+Bβⁿ⁺¹) = 2+p/aₙ .
よってaₙ=(Aαⁿ⁺¹+Bβⁿ⁺¹)/(Aαⁿ+Bβⁿ) で、
|αⁿ/βⁿ|ₚ≤p⁻ⁿ→0 (n→∞) だから、B≠0 のとき
aₙ→β (n→∞).
よってB=0つまりx≠αのとき、
β=\lim\left(2+{\cfrac {p}{2+{\cfrac{p}{2+{\cfrac {p}{\ddots+{\cfrac {p}{2+{\cfrac{p}{x}}}}}}}}}}\right)