数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

反復合成多項式について

まとまった進展があったのでメモ。

fⁿ(x)-x=0の形の方程式を考える。ただしfⁿはn回合成写像、fは多項式。fⁿ(x)-x=0の解をα₁,α₂,・・・,αᵢ,・・・(有限個)とする。

このときf(αᵢ) もfⁿ(x)-x=0の解である。証明:fⁿ(f(αᵢ))=f(fⁿ(αᵢ))=f(αᵢ) よって fⁿ(x)=x を満たす。

さらにfは解の集合から自身への全単射

有限集合なので全射を示せばよい。任意のαᵢに対して、f^{n-1}(αᵢ)もfⁿ(x)-x=0の解で、f(f^{n-1}(αᵢ))=fⁿ(αᵢ)=αᵢ. よってf(αⱼ)=αᵢとなるαⱼが存在する。

一応単射も直接示せる。f(αᵢ)=f(αⱼ)のとき、両辺をf^{n-1}(x)に代入するとfⁿ(αᵢ)=fⁿ(αⱼ)よりαᵢ=αⱼ。

解の個数を(deg(f))ⁿとして議論するために、重解をもたない条件を出しておきたいのだが、よくわからない。以下fⁿ(x)-x=0は重解をもたないと仮定しておく。

fは全単射だから、これは解の集合の置換。(deg(f))ⁿ個の集合のどんな置換だろうか。

まずn回で元に戻る、位数nの置換であることはすぐにわかる。

fで動かない元がdeg(f)個あることもわかる。これは、f(x)=xの解はfⁿ(x)=x の解でもあるから。

例をつかうと、より踏み込んだ結果がわかりやすい。deg(f)=3,f=3とする。9個の解の置換を考えよう。うち3つは動かない。のこる6つについて。f(αᵢ)=αⱼ,f(αⱼ)=αₖとすると、f(αₖ)=fff(αᵢ)=αᵢとなる。これで巡回であることが証明されたようだが、αᵢ=αⱼやαⱼ=αₖ、αₖ=αᵢなどの可能性をケアする必要がある。このようなことになるのは、fᵐ(αᵢ)=αᵢ(mはnでない)となるとき。f(x)=xは除外済み、3は素数のため、ない。

この例と同様にして、nが素数pのときは「deg(f)個の固定+(deg(f)ᵖ-deg(f))個のp次巡回置換」となることがわかる。何気にフェルマーの小定理が現れている。

素数のときはどうなのだろう?また、ガロア群などに応用できないだろうか。まだまだ楽しそう。