終結式と最大公約数について
n⁵+5と(n+1)⁵+5の最大公約数が、ほとんどの場合1で、それ以外のときは1968751(これはx⁵+5と(x+1)⁵+5の終結式)となる、という現象について、似たものをいくつか(wolframなどで計算して)見つけた。
・gcd(n³+3,n²+2)は、n≡11(mod17)のとき17で、それ以外1。17=Res(x³+3,x²+2) (←終結式。)
・gcd(n³+2,n²+3)は、n≡12(mod31)のとき31で、それ以外1。31=Res(x³+2,x²+3)
・gcd(n³+n+3, n²+2)は、n≡4(mod11)のとき11で、それ以外1。11=Res(x³+x+3,x²+2)
f,gの終結式がある素数pの倍数だとすると、体ℤ/pℤにおいては終結式は0になるので、f,gはℤ/pℤの代数閉包で共通根をもつことがわかる。逆にf,gの終結式がある素数pで割り切れなければ、体ℤ/pℤにおいて終結式が0でないため、f,gはℤ/pℤの代数閉包で共通根をもたない。f(n),g(n)の最大公約数がpの倍数になるとは、f,gがℤ/pℤで共通根をもつということだから、上のことより、そうなるようなpは終結式Res(f,g)の約数だと分かる。また、あるRes(f,g)の約数の素数pについて、pの倍数が最大公約数に現れる条件は、f,gの共通根がℤ/pℤに含まれることとなる(ℤ/pℤを代数閉包まで広げると共通根があることは分かっている)。証明を目指すに当たっては、これをどう調べるか。
ひとつの証明メモ:x²+x+1,x²-2について証明する。 (ω-√2)(ω+√2)(ω²-√2)(ω²+√2)=N(ω-√2),また (ω+√2)(ω-√2)(ω²+√2)(ω²-√2)=Res(x²+x+1,x²-2)=7 よってO_K/(ω-√2)O_K ≅ℤ/7ℤ. O_Kはω,√2を含むからO_K/(ω-√2)O_K ≅ℤ/7ℤはω,√2を含む。よってx²+x+1,x²-2の共通根はℤ/7ℤにある。