数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

イデアル類群の関わる簡単な現象

8/8記号を間違えていたので修正しました。

やっと、イデアル類群っぽくなおかつとても簡単なやつを見つけた。

x² + 5y²と書ける数について考える。

たとえば3は書けない。2も書けないが、2×3の6は1²+5・1²と書ける。3²=9も9=2²+5・1² と書ける。7も書けないが、7・2=14は3²+5・1²と書け、7²=49も2²+5・3²と書ける。一方で、29=3²+5・2²、41=6²+5・1²のように、そのままでも書ける数もある。さらには、11はそのままで書けないのみならず、11・2も11・3も11²もx² + 5y²と書けない。このように見ると、素数には3グループありそうだと気付く。

素数自身は書けないが、同じグループの者との積は書けるグループ。

②書けるグループ。

③書けず、他の素数との積も書けないグループ。

これは典型的にイデアル類群の関わる現象だ。結局これは、ℤ(√-5)ℤ[√-5]で素数を素イデアル分解したとき、その素イデアルが属する「類」は何か?を考えていることになる。ちなみに、①のグループの素数は、2x²+2xy+3y²と書ける。2は(x,y)=(1,0)。3は(1,-1)。7は(1,1)。(もちろんそれぞれ(-1,0),(-1,1),(-1,-1)も可!)

よく知られた問題に、x²+y²と書ける素数についての問題があるが、そちらでは①のような素数は無い。単純に素数そのものが書けるかを考察するだけで、合成数についても解けるようになっている。これはℤ(√-5)ℤ[√-5]の類数が2なのに対して、ℤ(i)ℤ[i]の類数が1だから!

代数的整数はただ習ったままでなく、いろんな例に触れたりいろいろ計算していじってみると面白いなあ。イデアル類群は必然的に見えてくるし。