数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

gcd(f(n),f(n+1))と代数的整数論

※8/17 もう少し考察してみました

mochi-mochi61.hatenablog.com

※筆者は整数論の初学者で、誤りや、回りくどい論述などがあるかと思います。発見したら指摘していただけると助かります。

こちらのツイートで提示され

 こちらのブログで考察されている問題

egory-cat.hatenablog.com

で、不思議な現象を見つけたので、報告と、代数的整数論を使った考察をしてみた。

まず不思議な現象を紹介する。x⁵+5と(x+1)⁵+5の終結式Res(x⁵+5,(x+1)⁵+5)を計算すると、-1968751. この1968751は、n⁵+5と(n+1)⁵+5の最大公約数がとりうる1でない唯一の値そのものとなっているのだ。wolframで計算した。

www.wolframalpha.com

以下なぜそうなるかの考察。

※追記:以下の長い議論はせずに、次のような初等的考察もできる:f(n)とg(n)がともにpで割れる⇔f(n),g(n)≡0(mod p),これはfとgが有限体𝔽pで共通根をもつということ、すなわち終結式が𝔽pで0(pで割り切れる)ということだ。

モニック多項式f(x),g(x)の終結式は \prod_{i,j}(\alpha_i-\beta_j)(ただし \alpha_iはf(x)の)根, \beta_jはg(x)の根で、積は根の組み合わせ全体をわたる)だから、これに関連付けていく。

 K={\mathbb Q}(\zeta_5,(-5)^{\frac{1}{5}})~(\zeta_5は1の原始5乗根)とし、 O_KをKの整閉包とする。x⁵+5=0の根を \alpha_i(i=1,2,3,4,5),(x+1)⁵+5=0の根を \beta_j(j=1,2,3,4,5)とする。n⁵+5と(n+1)⁵+5はともにK上で1次式の積まで因数分解されるから、 O_Kの素イデアル𝖕が、イデアル(n⁵+5)と( (n+1)⁵+5)をともに割り切るとすると、あるi,jが存在して𝖕|(n -  \alpha_i)かつ𝖕|(n -  \beta_j)となる。このとき(n -  \beta_j)-(n -  \alpha_i) =\alpha_i-\beta_j∊𝖕だから、𝖕|(\alpha_i-\beta_j). よって𝖕|( \prod_{i,j}(\alpha_i-\beta_j))=(Res(x⁵+5,(x+1)⁵+5))=(1968751). 1968751は有理素数だから、(n⁵+5)∊𝖕⋂ℤ=(1968751).よって1968751|(n⁵+5). 同様に1968751|((n+1)⁵+5). よってn⁵+5と(n+1)⁵+5が互いに素でない⇒1968751が公約数 がわかった。

終結式が有理素数であれば、同じ手法を使うことができるため、次はn⁵+5と(n+1)⁵+5の終結式がなぜこのような大きな素数となるのかが知りたい。n¹⁷+9と(n+1)¹⁷+9でも同様の現象が発生する(↓のツイート参照)ようなので、何か隠された原因があると思われる。

 

終結式をのせておく。

Res(x⁵+a, (x+1)⁵+a)= -(5⁵a⁴+5⁴a²+1)

Res(x⁶+a, (x+1)⁶+a)= 6⁶a⁵+3³*5*11*61a⁴+2²*10303a³-6*11*41a²+6*2a+1

Res(x⁷+a, (x+1)⁷+a)= -(7⁷a⁶ + 3*17*7⁶a⁴ + 5*7⁴a² + 1)

Res(x¹¹+a, (x+1)¹¹+a)= -(11¹¹a¹⁰ + 2*3*11¹⁰*554839*a⁸ + 11⁸*1399*51631*a⁶ + 11⁶*47*79*271*a⁴ + 5*11⁴*53*a² +1)