数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

バーンズの多重ゼータ関数とそのN倍公式

あけましておめでとうございます。新年1発目に勉強したのはゼータ関数です。

rを自然数、s,xを複素数(ただしxの実部は正)、ω∊ℂʳ(ただし各成分の実部は正)として、バーンズの多重ゼータ関数を以下で定義。

 \zeta_r(s,x,{\bf ω} ) :=\displaystyle\sum_{{\bf n} \in ({\mathbb Z}_{\geq 0})^r} ({\bf n}\cdot {\bf ω}+x)^{-s}

この級数はsの実部がrより大きいとき絶対収束する。

N倍角の公式とは、次の等式のこと。

\zeta_r(s,Nx,{\bf ω} )=N^{-s}\sum_{{\bf k} \in \{ 1,2,\cdots N-1 \} ^r}\zeta_r(s,x+\frac{{\bf k}\cdot {\bf ω}}{N},{\bf ω} )

<証明>
 \zeta_r(s,Nx,{\bf ω} )=\displaystyle\sum_{{\bf n} \in ({\mathbb Z}_{\geq 0})^r} ({\bf n}\cdot {\bf ω}+Nx)^{-s} = \displaystyle N^{-s}\sum_{{\bf n} \in ({\mathbb Z}_{\geq 0})^r} (\frac{{\bf n}\cdot {\bf ω}}{N}+x)^{-s}

ここで、 {\bf n}=N{\bf m}+{\bf k}~({\bf m}\in ({\mathbb Z}_{\geq 0})^r, {\bf k}\in \{0,1,2,\cdots N-1\}^r)と置き換えることで

\zeta_r(s,Nx,{\bf ω} )=\displaystyle N^{-s}\sum_{\bf k}\sum_{{\bf m} \in ({\mathbb Z}_{\geq 0})^r} ({\bf m}\cdot {\bf ω}+x+\frac{{\bf k}\cdot{\bf ω}}{N})^{-s} \\ =\displaystyle N^{-s}\sum_{{\bf k} \in \{ 1,2,\cdots N-1 \} ^r}\zeta_r(s,x+\frac{{\bf k}\cdot {\bf ω}}{N},{\bf ω} )
(証明終)

今までの振り返り

クリスマスも過ぎ、2020年も終わりに近づいてきた。今年もいろいろな数学を勉強し、今年からはブログに時々メモしてきた。メモしたからには見返さないと意味がない。記事を見つつ振り返ってみる。

・今年はリーマン面の理論を知り、閉リーマン面上の有理型関数のなす体は、代数関数体にもなるという素晴らしい定理を知ることができた。これによって、元から知っていた楕円関数の内容を、非常にすっきりと展開できるようになったのはすごい。かなりお気に入りの定理。ほんとうにお気に入り!

・今年は、数学を勉強してる人たちって意外とたくさんいるんだなあってことが分かった。それがなんだか嬉しい。

・今見返していて、代数関数体の理論を使って、合成可換な有理式の理論を考えることができるんじゃないか?という発想が浮かんできた。

類体論について分かることが増えたのも、今年の大きな成果のひとつ。前までは、「類体論」というものがあるってことと、それがなんか、二平方和定理のものすっごい一般化らしいってことしか知らず、主定理とかアルティン写像とか何のことやらという感じだった。それが今では、類体論の(イデアル類群を使った)主張が大体わかるまでになった。一般化されたイデアル類群とガロア群の関係を記述する理論だ。アルティン写像もわかるようになり、類体論から具体的な分解法則を導くこともできるようになった。類体論が分かったことでさらに、円分体というのが、何かよくわからんアーベル拡大の集まりなのではなく、ray類体と呼ばれる超重要な体のℚでの例だったのだと分かった。これは、解析関数の等分値でアーベル拡大を構成しようという問題に、より深い解釈を与えてくれる。クロネッカーの青春の夢も、ray類体の構成という理解のしかたができるようになった。この点は本当によかった。

・局所化の威力も知ることができた。素イデアルをどんどん減らすことができ、十分減らすとイデアルがすべて単項になる。局所化を知ったことで、これは局所的な問題、これは大域的な問題、と頭を切り替えられるようになった。大きな武器だ。今度はさらに完備化もわかるようになりたい。デデキントの判別定理を勉強しようとして挫折したのだが、それはp進体がよくわからなかったからだ。具体的には、p進体の拡大やイデアルの分解がわからなかった。きっと普通の環で考えるより簡便になるのだろう、局所化してもけっこう簡便になるが、完備化までするともっともっと簡便になるのだろう。

・素イデアルの分解を、有限体の拡大で調べるということも今年知った。そもそも、有限体の拡大のいろいろの性質を知ったのも今年。大きな進歩だ。

類体論の定義を理解しようとしたりとかしているうちに、素イデアルの分解に関するヒルベルトの理論がじわじわ分かってきた。フロベニウス写像ガロア群への)がやっと分かった。分解の度合いを、ガロア群の元に対応させて表現しようという考えがおもしろい。

・環A上の閉包って考え方が理解できたのも、地味ながら大きな進歩。類体論で相対イデアル類群を知ったりしたことも相まって、ℤ上の閉包Oₖだけ特別視するでなく、局所化で素数を消したりして"相対的"に考えることができるようになった。

・グラフの調和関数というとってもおもしろい物を知ることもできた。

wolfram alphaにコード集があることと、magmaの存在を知ることができたのは大きい。よくわかんない時や不安なときは、計算してもらうという選択肢ができた。今までは、「これを計算したいなあ」と思ったときに、「magmaやwolframで検索しよう」なんて思ったこともなかった。情報に疎いなあ。

ゼータ関数の分野でもかなり勉強が進んだ。行列のゼータ関数のいろいろの変形を見た上で、グラフのゼータや有限体のゼータを知ったことで、「ゼータ関数作用素からできる」ということが分かってきた。作用素から作り、"不動点定理"(固有値理論)で変形する。ただコホモロジーとの関連?はよくわからない。

・そもそも、数論の幾何類似をいろいろ知ったのも今年だ。結び目との類似、測地線との類似、グラフ理論での類似など。幾何類似はとてもおもしろい。もっと勉強したい。

・xⁿ+1と(x+1)ⁿ+1の公約数の話はおもしろかった。

・複素力学系もかじった。外射線を用いて充填ジュリア集合の対称性の説明に成功するところは、本当に美しい。

・メリン変換を知ったのは大きい。べき級数をディリクレ級数に変える魔法の公式。これを使うと簡単にゼータ関数を調べられる。ゼータの解析接続とは、結局等比級数の解析接続だった。関数等式はテータの保型性。メリン変換以外でもリーマンゼータ関数関連で分かることは増えた。ベルヌーイ数関連の級数の操作が分かったし、フーリエ展開係数が乗法的になるような保型関数をいろいろ考えた(そのような関数をメリン変換するとオイラー積表示が可能で、そのうえ関数等式も示せる)。

・つい最近だが、ホモロジーが少し分かった。境界をとる話なんだ。イデアル類群の類似であることもわかった。

こうして見返していると、学んだ当時の感動がよみがえってくるし、見返しているうちに、またいろいろやりたいことも出てきた。ブログで勉強記録をつけ始めてよかったなあと思う。

有限体をつかった群で、素数の分解法則を調べる

Aを、𝔽ₚⁿの部分集合とする。二項演算 ◦ :A×A→Aは"代数的"で、Aは ◦ に関して群をなすとする。ただし演算◦が代数的とは、x ◦ y= z, x=(x₁, …xₙ), y=(y₁, ... yₙ), z=(z₁, ... zₙ)として、各 zᵢ がx₁, …xₙ , y₁, ... yₙ の有理式で表されるようなものとする。

各pについてこの群の構造が分かれば、x ◦ x ◦ … ◦ x (m回)を xᵐ と書くことにすると、方程式 xᵐ = e (単位元) の解の個数が分かる。演算が代数的であることより、xᵐ =(fₘ,₁(x₁, ... xₙ), fₘ,₂(x₁, ... xₙ), ... fₘ,ₙ(x₁, ... xₙ)) (各fは有理式)と書けるから、xᵐ = eはn変数のn本の連立方程式となる。よってこれはx₁についての1本の代数方程式F(x₁)=0 にまとめられる。この方程式の解の個数が分かるから、ℚにF(x₁)=0の解をすべて添加した体Kにおける素数pの分解のようすがある程度わかるはずだ。

この演算としては楕円曲線の加法なども考えられ、アーベル多様体の理論ともつなげられそうだ。代数曲線などを考えるとき、今回考えたことを念頭においておくと数論との関係がとらえられそう。

ただ∞の扱いについてを修正しないといけない。楕円曲線の加法でも無限遠点を加えて群としていた。元を射影空間とした方がいいのだろうか。

関数の反復合成とか定義域の分割関連のこと

f:S→SをS上の関数とする。Sの有限の分割{S₁,S₂,…Sₙ}で、どのSᵢについても f(Sᵢ)=Sⱼ となる Sⱼ が存在するようなものを考えたい。これはmodをとることの類似と考えていて、うまい分割をとることで反復合成に関して見通しをよくできないかなと考えている。

簡単な例として、AをSのある部分集合として、

\displaystyle S_1=\bigcup_{k\in\mathbb{Z}}{f^k (A)}

(fᵏは、kが正のときはk回合成、0のとき恒等写像、負のときは逆像を-k回とったもの)、S₂=S-S₁とすると、(S₂≠∅のとき)これは条件を満たし、f(S₁)=S₁、f(S₂)=S₂となる。

他には、
\displaystyle S_1=\bigcup_{k\in\mathbb{Z}}{f^{2k} (A)},

\displaystyle S_2=\bigcup_{k\in\mathbb{Z}}{f^{2k+1} (A)},~~S_3=S-S_1-S_2

とすると, S₁∩S₂=∅, S₃≠∅ のとき{S₁, S₂, S₃}は条件を満たし(S₃=∅のときは{S₁, S₂}が条件を満たす)、f(S₁)=S₂, f(S₂)=S₁, f(S₃)=S₃ となる。S₁とS₂の移り変わる構造が入りおもしろい。

任意の構造をもった分割はできるのだろうか。例えば、f(S₁)=S₂, f(S₂)=S₁ となるような分割はできるだろうか。この条件式については、簡単な関数でも反例になってしまう。S=ℝ、f(x)=2xもそうである。うまくいかない理由には固定点が関わっている:0∊S₁とすると、f(0)=0∊S₁より条件を満たさない。同様に0∊S₂でも条件を満たさない。よって条件を満たす分割は存在しない。

しかしこの例では、定義域を正の実数にすれば条件を満たす分割が見つかる。次のようにすればよい:

\displaystyle S_1=\bigcup_{k∊ℤ}[2^{2k},2^{2k+1}),

\displaystyle S_2=\bigcup_{k∊ℤ}[2^{2k+1},2^{2k+2})

これらを見ると、基本領域のような考え方が有効そうに思える。もう少しいろいろ考えることができそうだ。

11/16

久しぶりの更新になる。最近勉強したこと:長方形の正方形でのタイリングは、グラフの調和関数で表せる。以下メモ。
正方形を辺、横向きの平行線を頂点としてグラフをつくる。頂点上の関数fを、各頂点で、その頂点の対応する平行線の高さ(底辺からの距離)を値にとると定義する。このときこれは調和関数になる。証明:vを任意の頂点とする。Σ{v近傍}f=Σ_{vの上側の近傍}f+Σ{vの下側の近傍}f=Σ(f(v)+(u、vをつなぐ正方形の一辺の長さ))+Σ(f(v)-(u,vをつなぐ正方形の一辺の長さ))=deg(v)f(v)+Σ{上}(u、vをつなぐ正方形の一辺の長さ)-Σ{下}(u、vをつなぐ正方形の一辺の長さ)=(deg(v))f(v)+(平行線vの長さ)ー(平行線vの長さ)
近傍とは:グラフの頂点vの近傍N(v)とは、頂点vと辺一本でつながれている頂点の集合(v自身は含まない)。
次数とは:グラフの頂点vの次数deg(v)とは、集合N(v)の要素数を表す非負整数。
グラフの調和関数とは:グラフの頂点上の関数fが調和関数であるとは、Σ_{u in N(v)}(f(v)-f(u))=0であること。これはΣ_{u in N(v)}f(u)=deg(v)*f(v)と同値。

f:id:mochi-mochi61:20201116013958p:plain

 

終結式と最大公約数について

n⁵+5と(n+1)⁵+5の最大公約数が、ほとんどの場合1で、それ以外のときは1968751(これはx⁵+5と(x+1)⁵+5の終結式)となる、という現象について、似たものをいくつか(wolframなどで計算して)見つけた。

・gcd(n³+3,n²+2)は、n≡11(mod17)のとき17で、それ以外1。17=Res(x³+3,x²+2) (←終結式。)

・gcd(n³+2,n²+3)は、n≡12(mod31)のとき31で、それ以外1。31=Res(x³+2,x²+3)

・gcd(n³+n+3, n²+2)は、n≡4(mod11)のとき11で、それ以外1。11=Res(x³+x+3,x²+2)

f,gの終結式がある素数pの倍数だとすると、体ℤ/pℤにおいては終結式は0になるので、f,gはℤ/pℤの代数閉包で共通根をもつことがわかる。逆にf,gの終結式がある素数pで割り切れなければ、体ℤ/pℤにおいて終結式が0でないため、f,gはℤ/pℤの代数閉包で共通根をもたない。f(n),g(n)の最大公約数がpの倍数になるとは、f,gがℤ/pℤで共通根をもつということだから、上のことより、そうなるようなpは終結式Res(f,g)の約数だと分かる。また、あるRes(f,g)の約数の素数pについて、pの倍数が最大公約数に現れる条件は、f,gの共通根がℤ/pℤに含まれることとなる(ℤ/pℤを代数閉包まで広げると共通根があることは分かっている)。証明を目指すに当たっては、これをどう調べるか。

ひとつの証明メモ:x²+x+1,x²-2について証明する。 (ω-√2)(ω+√2)(ω²-√2)(ω²+√2)=N(ω-√2),また (ω+√2)(ω-√2)(ω²+√2)(ω²-√2)=Res(x²+x+1,x²-2)=7 よってO_K/(ω-√2)O_K ≅ℤ/7ℤ. O_Kはω,√2を含むからO_K/(ω-√2)O_K ≅ℤ/7ℤはω,√2を含む。よってx²+x+1,x²-2の共通根はℤ/7ℤにある。

反復合成多項式について

まとまった進展があったのでメモ。

fⁿ(x)-x=0の形の方程式を考える。ただしfⁿはn回合成写像、fは多項式。fⁿ(x)-x=0の解をα₁,α₂,・・・,αᵢ,・・・(有限個)とする。

このときf(αᵢ) もfⁿ(x)-x=0の解である。証明:fⁿ(f(αᵢ))=f(fⁿ(αᵢ))=f(αᵢ) よって fⁿ(x)=x を満たす。

さらにfは解の集合から自身への全単射

有限集合なので全射を示せばよい。任意のαᵢに対して、f^{n-1}(αᵢ)もfⁿ(x)-x=0の解で、f(f^{n-1}(αᵢ))=fⁿ(αᵢ)=αᵢ. よってf(αⱼ)=αᵢとなるαⱼが存在する。

一応単射も直接示せる。f(αᵢ)=f(αⱼ)のとき、両辺をf^{n-1}(x)に代入するとfⁿ(αᵢ)=fⁿ(αⱼ)よりαᵢ=αⱼ。

解の個数を(deg(f))ⁿとして議論するために、重解をもたない条件を出しておきたいのだが、よくわからない。以下fⁿ(x)-x=0は重解をもたないと仮定しておく。

fは全単射だから、これは解の集合の置換。(deg(f))ⁿ個の集合のどんな置換だろうか。

まずn回で元に戻る、位数nの置換であることはすぐにわかる。

fで動かない元がdeg(f)個あることもわかる。これは、f(x)=xの解はfⁿ(x)=x の解でもあるから。

例をつかうと、より踏み込んだ結果がわかりやすい。deg(f)=3,f=3とする。9個の解の置換を考えよう。うち3つは動かない。のこる6つについて。f(αᵢ)=αⱼ,f(αⱼ)=αₖとすると、f(αₖ)=fff(αᵢ)=αᵢとなる。これで巡回であることが証明されたようだが、αᵢ=αⱼやαⱼ=αₖ、αₖ=αᵢなどの可能性をケアする必要がある。このようなことになるのは、fᵐ(αᵢ)=αᵢ(mはnでない)となるとき。f(x)=xは除外済み、3は素数のため、ない。

この例と同様にして、nが素数pのときは「deg(f)個の固定+(deg(f)ᵖ-deg(f))個のp次巡回置換」となることがわかる。何気にフェルマーの小定理が現れている。

素数のときはどうなのだろう?また、ガロア群などに応用できないだろうか。まだまだ楽しそう。

 

9/9,10

・円分体の類数は、類数公式を元に、二つの因数の積に分けて考えるそうだ。

・算術級数定理は、「指標の直交性」で特定のan+bを残せることを使うようだ。「直交性」は一般に群の表現にあるようで、それを用いて算術級数定理の一般化ができるらしい。ただ、今度は「an+bと書ける」のように簡単には言い表せないようだ。

・(1-ζⁿ)/(1-ζ)は円分体の単数らしい。絶対値1じゃないことは明らかに思える。おもしろそう。実際にこいつで生成される群は重要なようだ。

群論で、特別な部分群の個数に、合同式が成り立つという定理があるという。シローやフロベニウスが示したらしい。

・l進コホモロジーがどうとかで、エドワード・フレンケル先生の本に出てきていたドリンフェルトが出てくる。全く理解できないが、とんでもなく凄いことはわかった。

・「ドリンフェルト加群」CMの関数体類似で、なんか関数体のラングランズ予想を進展さしたらしい...

・レフシェッツ不動点定理は確かに合同ゼータ関数に出てくる式とのかかわりが見えるけれど、関係式がわからない→恐らく文献を見つけた↓

http://mathsoc.jp/meeting/kikaku/2017haru/2017_haru_abe-p.pdf

wikipediaに色々成り立つこと載ってるのありがたいけど、おバカで証明わかんない。

・こんなかんじの理論できないかなーと思って、議論の方針も立てたら、証明しないといけないこと意外に多い!ってのを毎回している。ギャップないようにしようとするとどうしても。構想は単純なのに。そういうギャップ埋め、期待されることがちゃんと成り立つよの部分が一番長くテクニカルになっちゃう。

イデアル正規部分群似てる。剰余類で代数構造をつくることができる、準同型の核である等。だから何かできるというわけでもないか?

・証明を完成させて、そこで簡単になるように、使う定理を少なくしようとすると、まったくうまくいかないこと多い。思いつくか思いつかないかになって、不毛。

・なんでもない一歩が、いざ示そうとすると全く証明できそうにないということがある。「○○でないことの証明」など。証明はできても、長く汚くなってしまったり。「テキトーに示せばいいよ」とか思ってるものほどジャマしてくるのが数学だなあ。あまりそこで悩みたくないのになあ。

・「素数の歌」の加藤和也先生の「1日ノート1冊使ってしまう」「ノート1冊ごとに日付をつけてる」がとんでもないペースなのがわかった(ちょっと試してみた)。丸一日常に数学できるとはいかないだろうし、調子悪い日だってあるはずなのに。毎日というのがすごい。

・手が止まってしまう、議論が進まなくなるのは大抵パターンがあるから、理解しておきたいし、進まなくなったなら別の道を進めればいい。それがすぐできないのがよくないな。今取り組みたいこと表など作るべきか。

・ひとまず形にしてしまうべきだな。

・可解な拡大のデデキントゼータ関数は簡単に書けないだろうか。合同方程式の法pの解の有無はきちんと書けそうだが。立方剰余など。

・ノルムの、共役積の定義と剰余環の位数の定義の同値性の証明は、高木代数的整数論に載ってる。

・数学と探検は似ているなと思うのが、もっと広い視点をもって進めないといけない、目印(=メモとか)も残すべきと分かっていながら、つい目の前の道をずんずん進んじゃうところ。

群とガロア理論のお勉強(ガロア拡大の合成拡大はガロア拡大)

ガロア拡大の合成拡大はガロア拡大か。簡単すぎるのか、検索してもどこでも取り上げられてなくて困った。しかし証明を思いついた(つまり真だった)のでメモ。ガロア対応はすごく使いやすくていいね。

基礎体はKと書き固定。Kのガロア拡大M₁,M₂を考える。M₁、M₂を含むようなKのガロア拡大をLとし、L/Kのガロア群をGとする。M₁、M₂に対応する部分群をH₁、H₂とする。M₁、M₂の合成M₁M₂に対応する部分群はH₁⋂H₂である(※1)。M₁とM₂が体Kのガロア拡大であることより、H₁、H₂はGの正規部分群となる(※2)から、H₁⋂H₂もGの正規部分群となる(※3)。よってM₁M₂に対応する部分群は正規部分群だから、M₁M₂はKのガロア拡大(※2)。

※1M₁M₂に対応する部分群がH₁⋂H₂であることをチェック。
まずH₁⋂H₂がGの部分群だと示そう(群であることを示す)。①(単位元の存在)単位元eはH₁、H₂に含まれるためH₁⋂H₂にも含まれる。②(逆元の存在)g∊H₁⋂H₂のとき、g∊H₁かつg∊H₂だからg^{-1}∊H₁かつg^{-1}∊H₂よってg^{-1}∊H₁⋂H₂③(閉性)g,h∊H₁⋂H₂のとき、g,h∊H₁かつg,h∊H₂だからgh∊H₁かつgh∊H₂よってgh∊H₁⋂H₂ 以上より部分群。
あとは、M₁M₂にガロア対応する部分群はH₁⋂H₂であることを示す。H₁⋂H₂が群だから、H₁⋂H₂は H⊂H₁ かつ H⊂H₂となる最大の部分群H である。よってガロア対応と、部分群と部分体の逆の包含関係より、H₁⋂H₂がガロア対応するのは M⊃M₁かつM⊃M₂となる最小の中間体M。それはM₁M₂に他ならない。

※2 L/Kの中間体Mについて、M/Kがガロア拡大⇔Mに対応するHはGの正規部分群、の証明はこちらの龍孫江さんの動画にある↓↓

www.youtube.com

定義通りやるのが大切か。なぜ正規拡大を考えるかという意味も分かってくる(代数共役とったら体から出ていくのでは、自己同型で対称性が調べられないぞ!)。

※3 Gの部分群H₁、H₂がGの正規部分群ならば、H₁⋂H₂もGの正規部分群である証明はこちらに↓↓

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

9/7メモ

☆役立つし良い定理見つけた。代数体の整数環O_Kにノルムp^nの素イデアルがあるならば、それによる剰余はO_Kから𝔽p^nへの全射環準同型となる。では逆に、𝔽p^nへの全射準同型が存在するのはいつもこのようなときに限るだろうか?その全射準同型の核を考えるとそれはO_Kのイデアルであり、𝔽p^nはその剰余環。剰余環の位数はp^nで、体になっているからこのイデアルは素イデアル。よってO_kにはノルムp^nの素イデアルが存在する。ノルムp^nの素イデアルはpの上にあるイデアルに限るから、pの素イデアル分解を見ればわかる。

・フロベニウスすごい!フロベニウスはガロアの生成元という定理、これの1つの利用法が分かった。a^2=-1とおく。フロベニウスを作用させてaがどうなるか見よう。a^{p-1}=(-1)^{\frac{p-1}{2}},-1ならa^p=-aで、動くつまり𝔽pにはないと分かる。1ならa^p=aで、動かないつまり𝔽pの元とわかる。これは平方剰余の「オイラーの基準」そのものだ!

・これ強すぎる。どんな方程式の解aでもa^p計算すれば(多項式の割り算とかで計算可能)体に含まれるかに加えてガロア置換わかるという。

・ちょっと違うか。ガロアでない拡大で。

 ・絶対ガロア群を考えるということと関連してくるのかなあ。絶対ガロア群を作用させるってよく分からなかったが、有限体ならそれはp乗するだけだからなあ。

ガロアの作用分かっても、たとえばそれがx→-x+1と出ても、解が1/2なのかもしれないので代入は必要かも。あぶないあぶない。

・「虚数単位iは𝔽₅にある」と言うとき、それはx^2+1=が解けることであるって確かにそれは正しいけれど、その意図するところは単にそのような多項式の話じゃなくて、ℚ(i)という体に似てるなあという、体との類似点を言いたい。論理的には同じだけど。同じだが違う!自分で言ってて何言ってんだと思えてきた。意味不明。

・この感覚に割と忠実にできる表現法は、「ℤ[i]から𝔽₅への環準同型がある」が良いと思う。これは𝔽₇へは無い。あると仮定しfとするとf(i)^2+1=0だがそんな元ないので矛盾。結局多項式は使うんだが。しかしf(1+i)^2-2*f(1+i)+2=0などでも矛盾を導け、基底を関係なくできて少しは自然かと思う。

・O_Kからの準同型はないけどその部分体の整数環からはある、のような状況もありえるんだよな。中間体を考えてなんだかガロア理論ぽい。

・二次体の理論で「𝔽₅にiがある」「𝔽₇には無い」のような「ある・なしの区別」をやるが、その捉え方はまずく、単に二次だから2つで済んだだけと気付く。正しくは恐らく{\mathbb F_{7^2}}にiがあり、{\mathbb F_{5^1}}にiがある、ということだろう。相対次数って言うのだろうか。

・𝔽₅へℤ[i]から準同型があるのは、mod(1+2i)のことだろう。(1+2i)が素イデアルでノルム5。いろいろあって今の目標は、有理素数pの素イデアル分解から𝔽pのようすを知りたい、よりくわしく、代数体の部分体であって、その整数環からの準同型が𝔽pへ向けてある最大のものを知りたいということ。pの上にあるイデアル𝖕による有限体O_K/𝖕は𝔽pの拡大になってて、この拡大が真じゃないつまり拡大次数1、つまりO_K/𝖕≅𝔽pなら、O_K/𝖕へのO_Kからの準同型の存在より𝔽pへの準同型がわかる。相対次数見よう、で終わるな。しかしそれだけじゃない、部分体での素イデアル分解を知らないと。それには対応するガロア群の部分群の作用を見ればすぐにわかるはず、と思うがどうか。とにかく、拡大はガロアという条件をくっつけてガロア群使うのが良いと思う。それで今の目標は解決だろう。素イデアル分解は、意外に情報をもっている。

・分岐してると面倒くさい。

・不分岐のときは分解群で決まるか?

・不分岐のときに、Lの部分体Mの整数環での素イデアル分解を求めよう。分解群は下の素イデアルで決まるよね?部分体に対応する部分群Hと分解群の関係によっていろいろが決まるはず。分解群をHに制限したものがMでの分解群となる?まず群なる?群になることはすぐわかる。Mでの分解群となるはず。不分岐ならこいつの位数が相対次数となる。Mの拡大次数を使って素因数イデアルの個数もわかる。

・わからない=おもしろみ

・算術級数定理は「オイラーによる素数の無限性の証明から着想を得た」とよく通俗書に載ってるが、証明読んで「これが...?」ってなった。確かに証明してるけど、長い。こんな長く複雑な変形を、「オイラーのでいけるかも」という発想だけで見つけられるものだろうか。「これはいける」と確信していたんだろうか。もっと何度も見返せば方針が見えてくるのか?

・すぐ「IUT知りたいです、宇宙とか入ってすごそう」みたいなのに走らないように、正常な「知りたい」はどんなものか考えておいた。物理で例えるとわかりやすい。ロウソクや磁石をみてワクワクしたり不思議に思ったり、電流と磁場の理論ガリレイ変換が通用しないといった矛盾に「おかしいじゃないか」と気になって仕方がなかったりするのは、科学的に正常な好奇心や懐疑心だと思う。数学っぽいのだと、一般化も、「2を3にしたらどうなるんだろう」というのでこれに当たると言えると思う。3次方程式の解の公式も知りたくなっちゃうのが人情というものだ。他にも、論理など。定義に使うことばの定義は?などは気になりだすと止まらない。これらは純粋に科学的な「知りたい」と言えると思う。このような種類の「知りたい」で勉強をやっていきたい。

・好奇心を刺激する現象だけでなく、解明する手段までもくれた数学にひたすら感謝。

9/5,6メモ

・代数的整数論は一部の問題にとてもつかいやすいし、使うことでまた理解を深められる。

・数学の長い証明や難しい定理の連続も、イメージや意図や方針がわかっていれば、割合分かりやすい。

・直感と直感を実現する技巧は分離したいということか。

・pのℤ[α]での分解と、α(f(x)=0の根)が𝔽pにあるかの対応について。αが𝔽pにあればf(α)=pkとおくと局所環ℤp[α]でp=f(α)/k(kがpの倍数でないようにすれば)。この分解よりpが素イデアル分解することがわかる?いろいろと細かい点が気になる。とにかくf(α)=pkとできることから話を展開できるだろう。

・ℤpって書き方やめよう。積閉集合をSとしてS^{-1}Aで局所化を表そう。こういう「意識のしかたの違い」は何気に重要と思われる。こういうことは文献など他の人のから学ぶしかないし、細かい意識の点でも教科書の影響というものは大きいと感じる。

・二次多項式に整数を代入した値の因数は、二次体の理論で大きく絞り込むことができる。素数判定に有用な性質。n^2+n+41がn=41の先も素数率高いの謎とか思ってたが、よく考えたら単純なことだ。こんな簡単なことに気付かなかったなんて。

合同式の解の有無の判定を使えばいいということ。アーベル拡大では相互法則より簡単にわかる。

・n^2+n+41のたぐいの名称で一番よく使われているのは「オイラーの幸運数」のようだ。

・整閉を生成する多項式だからうまくいっているが、そうでないときどう考えることができるのか、そもそもうまく考えることができるのか、気になる。→ちょっとだけ局所化した環をℤの代わりにすれば、整拡大にできるだろう。そういう仕組みだったのか。モニックを考える理由とか。

オイラーは他にも「好適な数」というのを使って、より大きな素数判定をしていたらしい。3049は素数らしい。

・「Bは体KにおけるAの整閉包」=「BはAの整拡大」。必ずしも体Kを持ち出す必要はない。

・(1/2)(1+√-5)(1-√-5)=3から(3,1+√ー5)が(3)を割るのわかるの何でだ→(3)⊂(3,a)自明だから。(3,a)が(1)でないこと示して(3)の分解わかる。なぜ1でないかというと試しに3a+(1+√ー5)b=1とおくと両辺2かけて左辺を1+√-5でくくれて、2は1+√-5でわれないので終了。単項かどうかとかイデアル類の判定は別のお話。ついでに6の因数分解から(3,1+√-5)(3,1-√-5)=(3)わかるのなんでだ。手元の教科書に載ってたっけ。

・整拡大の局所化、整拡大、こんな簡単な定理も知らなかった→f(x)がA係数モニック多項式ならf(sx)/s^n (s∊S積閉,nはfの次数)がS^{-1}A係数モニック多項式になるから?多分合ってるはず。これでb/s (b∊B)はS{-1}A上モニック多項式の根とわかるから。なんだ簡単だ(これで合ってるなら)。局所化すると楽で好き。

類体論はエタールコホモロジーポアンカレ双対定理だそうです。実質聞きかじっただけのことばが、三段積み。さすがにホモロジーは勉強しろよ。

・5chの数学板は、「リーマン予想解きました」やら「不完全定理が哲学をどうこう」みたいなスレッドしかないわけではなく、ときどきちゃんと数学してるスレッドがあってとても勉強になるのだが、そのようなスレッドだけを見つける方法がわからない。おなじスレッドの中でも数学っぽいゾーンと煽り合いみたいなゾーンがあったりするし。

・単数群が気になる。円分体の単数群がなんとなく気になる。ディリクレの単数定理より5次円分体の単数群は階数1だが生成元なんだろうとか。

イデアルに加法ってあるけれど、記号の簡略化以上の意味があるなら知りたい。乗法と分配法則をもつとか、それに類する法則があるのか。

9/4メモ

今日はだいたい、行列のζ関数、合同ζ関数、グラフの(伊原)ζ関数について考えていた。

合同ゼータ関数の3つの形を知っている。1つめは指数で定義されるexp(Σa_n*x^n)の形。2つめは有理関数形P1(x)*P3(x)*.../P0(x)*P2(x)...。これは行列式表示ともみなせる。3つめは数論的ゼータ関数とみなしたオイラー積の形、Π(1-N(p)^{-1})^{-1}.pは閉点でNは剰余環の位数。行列のゼータ関数は1,2の形の類似を知っていて、グラフのは2,3を知っている。グラフはいい行列を見つけたので、それを使って1の形にも変形できそうだ。対数微分を使うと3から1の変形ができるだろうか。

ゼータ関数は階層構造があるということだろうか。合同ゼータ関数は、ハッセヴェイユゼータ関数を考えるときはオイラー因子だが、合同ゼータ関数自身がオイラー因子の積でもある。

線型作用素あるところにゼータ関数あり、と感じた。コホモロジーは、その線型作用素の作用する加群を与えてくれるということだろうか。ゼータ関数を勉強しつつ色々な概念を勉強できるととてもいい。

・なんでテータは保型?形からわかりにくい。

・モジュラー変換の基本領域の証明どうやるっけ。

・線素?が与えられた平面で、角度ってどうやって定めるのだろう。ユークリッド空間に入っている曲面なら、接面での接線のなす角で定められる。ここから考えると、無限小で見るとユークリッド平面と見なせ、角度が定められるといった感じかな。

Jean-Pierre Serre教授はまだご存命でいらっしゃるようだ。weil予想の解決を目指しGrothendieckと数論幾何を創始したのが有名だが、元は代数トポロジー複素多様体論が専門だったのだという。それについてSerreは「特に専門を変えてきたつもりはなく、テーマを追っているうち自然とそうなった」と述べているという。ほんとうに数論幾何の黎明期なのだなと感じる。こちらのインタビュー動画の二つ目の質問だと思う。英語わからないけど。

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いい笑顔。

格子の冪和

意外に単純な関係が導けた。

まずは二方向の格子のべき和。

\displaystyle S_k(\tau|m,n)=\sum_{a=0}^{m}\sum_{b=0}^{n}(a\tau+b)^kを求める問題を考える。

母関数\displaystyle f(x)=f(x,\tau,m,n)=\sum_{k=0}^{\infty}\frac{S_k x^k}{k!}を考える。S_kの定義より

\displaystyle \sum_{k=0}^{\infty}\frac{S_k x^k}{k!}=\sum_{k=0}^{\infty}\sum_{a=0}^{m}\sum_{b=0}^{n}\frac{(a\tau+b)^k x^k}{k!}和を交換し(絶対収束を一旦認める)

 \displaystyle=\sum_{a=0}^{m}\sum_{b=0}^{n}\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(a\tau+b)^k x^k}{k!}=\sum_{a=0}^{m}\sum_{b=0}^{n}e^{(a\tau+b)x}=\\\displaystyle\sum_{a=0}^{m}\sum_{b=0}^{n}e^{a\tau x}e^{bx}=\frac{e^{(m+1)\tau x}-1}{e^{\tau x}-1}\frac{e^{(n+1)x}-1}{e^{x}-1}

これはベルヌーイ数との関係が見やすいよう変形できて

f(x)=\displaystyle\frac{\tau x}{e^{\tau x}-1}\frac{x}{e^{x}-1}\frac{(e^{(m+1)\tau x}-1)(e^{(n+1)x}-1)}{x^2}

これに、ベルヌーイ数のテイラー展開による定義\displaystyle\frac{x}{e^x-1}=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{B_n}{n!}x^nを代入し、畳み込み積で展開すれば、S_kをベルヌーイ数で表せる。

※絶対収束は前半の変形でわかる。なぜなら、正項級数は順序が自由に交換できるから、\displaystyle \sum_{k=0}^{\infty}\sum_{a=0}^{m}\sum_{b=0}^{n}\left|\frac{(a\tau+b)^k x^k}{k!}\right|は上と同様の変形ができ、結局\displaystyle\sum_{a=0}^{m}\sum_{b=0}^{n}e^{|(a\tau+b)x|}となるから。これは有限和より収束。

この方法は任意次元で使える。{\boldsymbol a},{\boldsymbol m}を非負整数係数のn次元ベクトルとする。ベクトル{\boldsymbol x}の第i成分をx_iで表す。{\boldsymbol a}\leq{\boldsymbol m}で、すべてのi\leq na_i \leq m_iを表すとする。{\boldsymbol \omega}複素数係数のベクトルとする。

S_k=\displaystyle\sum_{{\boldsymbol a}\leq{\boldsymbol m}}({\boldsymbol a}\cdot{\boldsymbol \omega})^kを求める問題を考える。母関数をf(x)=\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}\frac{S_k}{k!}x^kとおくと、\displaystyle\sum_{k=0}^{\infty}\frac{S_k}{k!}x^k=\sum_{k=0}^{\infty}\sum_{{\boldsymbol a}\leq{\boldsymbol m}}\frac{({\boldsymbol a}\cdot{\boldsymbol \omega})^k x^k}{k!}=\sum_{{\boldsymbol a}\leq{\boldsymbol m}}\sum_{k=0}^{\infty}\frac{({\boldsymbol a}\cdot{\boldsymbol \omega})^k x^k}{k!}\\\displaystyle =\sum_{{\boldsymbol a}\leq{\boldsymbol m}}e^{({\boldsymbol a}\cdot{\boldsymbol \omega})x}=\sum_{{\boldsymbol a}\leq{\boldsymbol m}}\prod_{i=1}^n e^{a_i\omega_i}=\prod_{i=1}^n\sum_{{a_i}=0}^{m_i}e^{a_i\omega_i}=\prod_{i=1}^n \frac{e^{(m_i +1)\omega_i x}-1}{e^{\omega_i x} -1}

これもベルヌーイ数で展開すれば、計算することができる。

9/3メモ

・行列のゼータ関数の定義←→局所ゼータ関数の定義(exp()で定義)、どちらも行列式表示をもつ→"跡公式"で示される(局所のは、レフシェッツ不動点定理をフロベニウスに適用)→これが「有限体の多様体での"コホモロジー理論"を打ち立てる」の意味。跡公式さえあればゼータはわかる。跡公式といえばSelberg跡公式、これも上のゼータ関数論と同じ構造。作用素を見つければリーマン予想は解けるとかなんとか言うやつはこれのこと。大域では未完成?

・層の類似(環)がわからない。環ってなんなんだ。

・℘関数のテイラー展開係数は、ベルヌーイ数で書けそうかも。かなり意外。畳み込み積は本当に不思議。sn関数はどうなるだろうか。

・アイヒラーの谷山志村の例に出てくるモジュラー形式、展開係数が乗法的っぽい。これは流石に簡単には示せないか。

・約数イデアルの個数関数は当然乗法的で、そいつをℤに制限することで乗法的関数が得られるだろう。どう表示できるだろうか。

ゼータ関数の零点が素数個数関数に関わる理由は、ワイエルシュトラス因数分解定理で、関数は零点情報だけで充分わかるよねって話だった。零点による表示に書き換える。

・ベルヌーイ数の定義から、ゼータ関数に現れるのを示すの、案外難しい。留数定理を用いた積分でいけるだろうか。三角関数は介さずに示したい。

多項式ガロア群がわかれば、合成関数についての性質もわかる?

多項式環でなくて、代数体なら、合成関数に対する性質もよくわかるのに。ガロア群の作用を利用して。

・ζの積分表示メモ(1/Γ(s))\int_0^{\infty}\frac{t^{s}}{e^t-1}d^{×}t.導出は簡単。メリン変換を並べてたし、等比級数の公式でまとめるだけ。積のハール測度d*t=dt/tがとても使いやすい。

9/1メモ

9月になった。

(\sqrt[3]{2}+1)^3=3(1+\sqrt[3]{2}+\sqrt[3]{4}).よって局所環ℤ₃[2^(1/3)]で3=\frac{(\sqrt[3]{2}+1)^3}{1+\sqrt[3]{2}+\sqrt[3]{4}}。割り算自由な局所環便利、と思いきや、類数1で、1+\sqrt[3]{2}+\sqrt[3]{4}も単数だった。

・完備離散付値環の素イデアル分解はどうなる?べきにしか分解しないなら、それで分岐のことがわかるのか?まだまだ局所的テクニックは使いこなせてない。

類体論:一般化イデアル類群が、指定の素イデアルが分岐する拡大を制御する。すごく"形の理論"っぽいし、そこの対応を考えるというのはとてもすごいんじゃないか?と思う。分岐、悪い還元といった特殊現象が、全体を制御しているというのがカッコイイじゃないか。いやなものが重要なものに一転。

・一般ベルヌーイ数というのがあるらしい。ディリクレ指標つきバージョン。有理数ではなく、代数的数とのこと。ベルヌーイ数とどれくらい類似の性質を持つだろうか。特殊値解釈はあるんだろうか。

・類数で楕円曲線の整数解がわかるのか、楕円曲線の整数解から類数がわかると言うべきなのか。

・類数は整数の性質にとても顕著に現れる数だということはわかってきた。べき乗の入った不定方程式の整数解に関係する。類数1というのは数の性質をかなり具体的に大きく制限する。合同式の解が実際の解になるなど。逆に単純な計算結果が、類数の因数の候補を簡単に絞る。それこそ楕円曲線の整数点とか、x^2+ny^2と書けるかの観察など。

・今、類数が分かっているとき、素数pの因数の素イデアル𝖕のイデアル類を知る方法は?

・おのおののpの分解可能性やどれだけ分解するかは局所環でわかると。問題を局所に解体できるということだ。3=(1/2)(1+√-5)(1-√-5)だ。でもこの(1/2)は取れますか、(1/2)の代わりにどんな数が現れる可能性がありますか、などの部分は、全部イデアル類に押し付ける。

・なぜζが素数の個数関数に関係しますか→かんたん。なぜゼータ関数のゼロ点の位置、分布が素数関数の漸近挙動を制御しますか→知らない。とても不思議に感じる。

ゼータ関数オイラー積で見れば素数との関連がわかるが、積分表示など見ると、よくある解析関数という感じがする。不思議。