数学大好き宣言!

勉強メモ。おもしろいことを探していきたい。

2021-01-01から1年間の記事一覧

(3/15~)メモ

・K(k)をモジュラスkの第一種完全楕円積分,K'(k)=K(√(1-k))とする。K(λ)/K'(λ)=pK(k)/K'(k) (pは素数) を満たすときのλ^2, k^2の関係式は、ほとんどすべての素数ではp+1次だが、p=5,7,11のときに限りp次だという。ガロアが見つけたらしい。ところで、PSL(2,F…

p進解析関数

p進解析を勉強した。↓メモ↓問題 p進数の世界でも、指数関数exp(x)や対数関数log(x), 三角関数sin(x)などを考えられるだろうか?この問題をどのように考えるか。1つのアプローチとして、冪級数を考えて(例えばexp(x)ならを考えて)、これがある範囲でp進収束す…

(3/13~)メモ

・http://www.math.kochi-u.ac.jp/docky/kogi/kogi2019_2/kashikojima_lecture/lecture.pdf←「虚数乗法論とreciprocity」というpdf. 類体論のおもしろい具体例がたくさん載っていたり、p進数、アデールイデール、ガロア群の幾何学的イメージなどいろいろ述…

楕円積分とガンマ関数について調べたことまとめ

・らしい。y=1/x^2, x^2=1/y の変数変換で移りあうようだ。 ・ベータ関数の公式より、一般のフェルマー曲線の周期をΓ関数で表すことができる。 ・K'/Kが√rになるときの楕円積分はガンマ関数で表せることを、chowlaとselbergが示した。例: r=1のとき r=5のと…

超幾何級数と連分数(₁F₁の場合)

(ただしはポッホハマー記号)とおくと、これは隣接関係式と呼ばれる次の2式を満たす: これらを示す。 一番目の式: まず、 さらに、 以上より をかけてn=1から∞まで和をとって二番目の式は簡単。前回↓ 超幾何級数と連分数(₀F₁の場合) - 数学大好き宣言! で…

電気回路と行列(補足)

前回↓mochi-mochi61.hatenablog.com 今回は電位・電位差との関係を考える。 頂点での電位がであるとする。このときとする。 にの転置行列をかけてみよう。 だから、素直にを計算すると、の第j成分は の定義は、なら1,なら-1,どちらでもないなら0というもの…

(3/9~)メモ

・算術幾何平均を使った円周率の近似:a_0=1, b_0=1/√2, S_0=1/4, a_{n+1}=(a_n+b_n)/2, b_{n+1}=√(a_n+b_n), S_{n+1}=S_n+2^n(a_{n+1}^2+b_{n+1}^2)とおくと、n→∞のときS_n→πらしい。 ・漸化式a_{n+2}=Aa_{n+1}+Ba_nを満たす数列a_nにおいて、b_n=a_{n+1}/a…

超幾何級数と連分数(₀F₁の場合)

(ただしはポッホハマー記号) とおくと、これは隣接関係式と呼ばれる次の関係式を満たす: 証明: ここで、 だから、 よって 両辺のn=1から∞までの和をとって よって この隣接関係式の両辺をF(a;z)でわり、 よって よってF(a;z)/F(a-1;z)=g(a), z/{(a-1)a}=k(…

電気回路と行列

電流をグラフ理論的に。 グラフ理論における「グラフ」とは、下のような、頂点を辺でつないだもののこと。 グラフの例回路はグラフと見なせる。このとき回路素子はひとつの辺に最高一つになるようにする。例えば下のように↓ グラフ化このようにして回路はグ…

いくつかの数論的関数とゼータ関数

ゼータ関数と数論的関数の関係、特に反転公式とゼータ関数の関係がおもしろい。 まずディリクレ級数の積を計算しておく。 だから、この積のの係数をとおくと、 とおく。次に約数関数d(n), メビウス関数μ(n)を導入する。 定義 (1)d(n)=(nの約数の個数)を約数…

(3/5~)メモ

・fを閉リーマン面X上の有理型関数、gを閉リーマン面からそれ自身への正則写像とすると、fとgの合成もX上の有理型関数だから、Xの関数体に属する。よってfとの代数的な関係式をもつ。例:モジュラー群の基本領域はリーマン球面と見なせ、PSL(2,R)による…

【集合論】ベン図が書けないときの要素数の計算

集合Aの要素数を|A|で表す。 いま|A|,|B|,|A∩B|が分かっているときに、|A∪B|を求めたいとする。 このとき下のようなベン図を書いて|A∪B|=|A|+|B|-|A∩B|が分かる。 三つの場合、つまり|A∪B∪C|が求めたい場合も同様にベン図から分かる。 しかし4つ以上になる…

(3/3~)メモ(事実や資料まとめ)

(3/3) ・群は代数的構造を忘れると集合である。同様に群の圏の代数的構造を忘れさせることで集合の圏への関手が作れるらしく、これを忘却関手というらしい。そのまんまだ。 ・位数pの有限体のガロア群がp乗で生成されることを示す。有限体𝔽pの有限次拡大K…

反復合成多項式の剰余関係

でfのn回合成を表すとする。例えばというように。 f(x)を多項式、a,bを自然数としたとき、はを割り切る。これを示す。 で有理係数多項式全体を表す。 を で生成される のイデアルとする。を示せばよい。 (のb回合成) よってだから、示された。 この証明方法…

フィボナッチ数列計算機

フィボナッチ数列の計算機です。環境にもよると思いますが、5000番目くらいまでは普通に計算できます。 function A(N){ if(N>0){ let a=1n; let b=1n; let c=0n; let n=0; while(n 番目のフィボナッチ数 計算 (ここに結果を表示)↓コード↓ <script> function A(N){ if…

プログラミング(?)やってみた

下のような整数の二乗計算機を作れるようになるまでのメモ ^2=計算 【動機】 nowanowa.github.io ↑こういうブラウザで動くの、便利なので作りたい。 何も知らないけど勉強する。 中学生か高校生の頃に授業で教わったサイト:HTMLクイックリファレンスが参考に…

(2/22~)メモ(定理や事実と資料まとめ)

・ルジャンドル記号のガウス和 Σ(a/p)exp(2πia/p) (ただし(a/p)はルジャンドル記号で、和はa=1からpまでとする)は、p番目の円分多項式=0という方程式の、二次のラグランジュリゾルベントである。実際にガロア群を作用させてexp(2πia/p)をexp(2πiab/p) (b乗)…

メモ(2/15~)

2/15 ・最大不分岐アーベル拡大は有限次元だが、ある素数pの分岐だけは許したアーベル拡大は無限にある。(だから調べ甲斐がある?) ・f(x1,x2,...xn)をp進整数係数の多項式とし、a_kをZ/(p^k)Z でのf=0の解の個数とする。このとき形式べき級数Σa_k*t^kを井…

整数行列の単因子

この記事の内容:単因子論の整数バージョンの、単因子標準形に変形できるところまでの証明。一意性は示していない。整数を成分とするm×n次正方行列全体をM(m,n;ℤ)と書く。基本行列 とは、次のようなN次正方行列のこと。 m×n行列にm次基本行列を左からかける…

メモ(2/6~)

(2/6) ・円分方程式が代数的に解けることの証明を思いついた。基本はガロア群が可解群である方程式を解く流れと一緒だが、p乗根が代数的に解けるという仮定は使えないことに注意する。例えば23等分方程式を解くとすると、23-1=2*11より、二次の巡回拡大と1…

数オリ(素数生成多項式の問題)

1987年の数学オリンピックの第六問「を以上の整数とする.をみたす任意の整数に対して,が素数ならば,をみたす任意の整数に対して,は素数であることを示せ.」 の解答をメモ。 前半の条件を仮定する。つまり、をみたす任意の整数に対して,が素数だと仮定…

フルヴィッツの四元整数(2)

前回のつづき 前回リンク→フルヴィッツの四元整数(1) - 数学大好き宣言!定理として、. 証明: 行列表示によってと表すと、 だから、 行列式の乗法性より定理が導かれる。定理 ,または. 証明:右⇒左は明らかだから、左⇒右を示す。 ,のとき、両辺のノルムをと…

フルヴィッツの四元整数(1)

四元数の性質を分けてメモ(定義、ユークリッド性、一意分解性) リプシッツの四元整数とは、四元数で、が全て整数のもの。 フルヴィッツの四元整数とは、四元数で、の全てが整数であるか、全てが半整数(整数+1/2)であるもの。整数と半整数が混ざった1/2+i+j+k…

格子上の関数としてのモジュラー形式

ω₁, ω₂を複素数、k=1,2,...として、という級数を考える。 これはω₁, ω₂という二つの変数の関数ともとれるが、(周期的)格子に複素数値を返す関数ともとれる。だから格子を張る基底をとりかえて のように書いても値は同じ。 この級数をでわりとおくと、アイ…

メモ

1/25 21時頃 ・1より大きい実代数的数であって、自分以外の代数共役の絶対値が1より小さくなっているようなもののことを、Pisot数という。フィボナッチ数列の前後比が(1+√5)/2に近づいたり、(1+√5)/2の累乗がどんどん整数に近づく現象が一般化できる。Pisot…

フルヴィッツのゼータ関数の収束

フルヴィッツのゼータ関数の収束を証明できたと思うのでメモ。 が、のとき絶対収束することを示す。 まず、複素数z,wに対して、はで定義される。これは (log|z|は実数値をとる)のarg(z)のとり方に依存するので、多価関数である。以下、とする。 w=a+bi (a,b…

バーンズの多重ゼータ関数とそのN倍公式

あけましておめでとうございます。新年1発目に勉強したのはゼータ関数です。 rを自然数、s,xを複素数(ただしxの実部は正)、ω∊ℂʳ(ただし各成分の実部は正)として、バーンズの多重ゼータ関数を以下で定義。 この級数はsの実部がrより大きいとき絶対収束する…